東京都の舛添知事が「週休3日制」をブチあげ! ネットには「ちょっと楽しみ」と期待の声もあるが…
東京都の舛添要一知事が、12月6日放送の「新報道2001」(フジテレビ)で「週休3日制」の導入構想をぶち上げた。タレントのパトリック・ハーラン氏から「東京が先進的な取り組みをすれば、(日本)全国を引っ張っていけるはず」と迫られた舛添知事は、
「アメリカもヨーロッパもまだやってないけど、週休3日制を入れようと思っている」
と宣言。一気に週32時間にはできないが「例えば木曜日だけ午前中は働かない日」を作るなどして対応していきたいと発言した。また、共働きの夫婦が違う日に休みを取ることで、安倍総理が掲げる「介護離職者ゼロ」の達成も可能になるという考えを示した。
「誰もやってないから、しょぼくないでしょ?」
番組内では、起業家で内閣府参与の齋藤ウィリアム浩幸氏が「東京五輪に向けた国や都のアイデアはイノベーションがなく、しょぼい」と苦言を呈した。これに対して舛添知事は「(週休3日制は)みんな驚くから、しょぼくないでしょ?」と齋藤氏に反論。
「内閣府は朝から晩まで働いてるから、しょぼい発想しか出てこないんであって」
国にアイデア不足があるとすれば、その原因は長時間労働にあると言及した。さらにパリ出張の経験を踏まえて、こう畳み掛けた。
「あんだけ遊んでる彼らが、なんで日本より豊かで、日本より生産性が高いのか」
「(日本人は)会議ばっかりダラダラダラダラやって、それで全然効率よくないことをやってるんだったら、短い時間で(済ませるべき)」
知事は「しょぼい」と批判されたことがよほど悔しかったのか、再び「誰もやってないから、しょぼくないでしょ?」と胸を張った。
これを見た視聴者からは「舛添都知事が週休3日取り入れるそうな。ちょっと楽しみ」「難しいだろうけどぜひ大胆にやってみてほしいね!」など、ネットに驚きと期待の声があがった。
文科省の「夢ビジョン」に位置づけられてはいるが
しかし東京五輪と「週休3日制」には、どんな関係があるのだろうか。実は文部科学省が2014年1月に作成した「夢ビジョン2020」の中で、東京五輪の成功は、
「日本人・日本社会の転換の上に成り立つ」
とされており、週休3日制の導入は「日本発の新たなライフスタイル、社会モデルを確立・発信」する具体策のひとつとして位置づけられているのだ。
1940年の東京五輪は、高度成長にわく日本を世界中にアピールする場であり、あわせて新幹線や高速道路などのインフラも整備された。
これに対し2020年の東京五輪は、成熟した市民生活の質的な転換を打ち出そうとしているようだ。枡添知事の発言も、これに呼応したものと見られる。
否定的な意見も「夢のまた夢って感じなんだが」
ただし具体的な検討は、まだ進んでいないようだ。東京都総務局人事部に取材したところ、2016年度からは職員のライフワークバランス向上を目指して「時差勤務の拡大」を予定しているが、週休3日制に関する具体的計画はないという。
現時点でも「完全週休2日制」を実現してない中小企業もある中で、都内のすべての会社に週休3日を強制することは困難だろう。ネットにもこんな声があがっている。
「(週休3日など)夢のまた夢って感じなんだが…夫の職場だと土日さえまともにないのにムリムリムリ」
一部の大手企業が導入すれば、取引のある中堅企業の中には横並びで動くところがあるかもしれない。しかし、ただでさえ生産人口が減少するなかで、急激な労働時間の削減は経済に対する悪影響も懸念され、一律の導入は困難だろう。このまま「夢ビジョン」で終わってしまうのだろうか。
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