年収700万円以上の読者の割合が一番多いのは産経新聞!? 従来と真逆の調査結果について調べてみた
調査は3月29日から30日にかけて実施。全国の20歳~59歳の1000人が回答した。その他の年収で「新聞を読んでいる」と答えた人は、「700~1000万円未満」で74%、「500~700万円未満」で54%、「300~500万円未満」で56%、「300万円未満」で55%だった。
お金がある人は新聞を購読できる経済的余裕がある、ということもありそうではあるが、調査元は、「年収が高い人ほど新聞を読んでいる人の割合が多く、経済動向・情報に対して敏感になっていると言えるのでは」と分析している。
だが、さらに気になる結果があった。年収700万円以上の購読者の割合が多かった新聞は、39%で産経新聞だったそうだ。以下、日経産業新聞(38%)、フジサンケイビジネスアイ(33%)、日本経済新聞(32%)と続いた。
産経新聞は、中国や韓国への強気な論調で知られ、世間一般では右派、保守系の媒体として位置づけられている。年収700万円以上の読者の割合がこれだけ多いということは、実は保守層は高所得、ということなのだろうか。
しかし、2015年の朝日新聞社の媒体資料を見てみると、購読世帯主の年収が700万円以上となっている割合が最も高いのは日経新聞で61.2%だ。以下、朝日新聞(40.2%)、読売新聞(35.6%)、毎日新聞(33.3%)と続き、産経新聞は最下位で30.4%となっている。
無料のスマホアプリで読んでいる層も「購読者」としてカウントされた?
日経が上位なのは変わらないが、なぜ産経新聞の順位がこうも変わるのか。その理由は、質問の仕方にあるかも知れない。キャリアインデックスによると、調査では「あなたは普段どのような新聞を読んでいますか?」と聞いただけで、質問文の中の「新聞」は特に紙だけに限定しているわけではない。
さらに、「年収700万円以上の購読者」の結果も前述の質問から導きだしているため、本当に購入しているかは分からない。産経新聞であれば、スマートフォン用のアプリであれば朝刊が無料で読めてしまうため、それが従来の調査より順位を上げる結果に繋がった可能性もある。
もちろん、実際に金銭を払って購読している人の割合が高い可能性もある。東京都で新聞を購読した場合、一か月の料金は読売・朝日・毎日新聞(朝・夕刊セット)は4037円。日経新聞(朝・夕刊セット)は4509円となっている。
しかし、産経新聞は朝刊のみなものの、3034円となっており、他紙より1000円以上安い。産経新聞の論調を支持して購入している高所得者層も当然いるはずではあるが、ストレートニュースならどの新聞でも大差ないと感じている人が、コスパ重視の結果、産経を読んでいる、というケースも一定数考えられそうではある。
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