墜落リスクなき「地上ドローン」お目見え ネットは不安視「大阪やったらオバハンのチャリでバーンやで」
番組は、英ロンドンで行われた地上ドローンの運行実験の様子を紹介。スターシップテクノロジーズ社は、スカイプの創業者が立ち上げた会社だという。COOのアラン・マーティソン氏は、6つの車輪がついた巨大炊飯器のような機械と街を歩きながら、こう紹介した。
「地上ドローンは、いわば配達ロボットだ。買い物袋や小包、食べ物など、2~3キロの距離なら何でも運べる」
重さ10キロまで運搬可能で、買い物袋が2つくらい入りそうな大きさだ。送りたい人はフタを開けて荷物を中に入れるだけ。登録された目的地まで自動で運んでくれる。受取人はロックを解除して取り出すだけ。配達が終わると再び自動的に帰還するというわけだ。
開発者は、NASAの火星探査車両から発想を得た。街の声も好評で、ある若い女性は「良いアイデアだと思う。家からなかなか動けない高齢者には便利。将来は家庭でも所有するようになるかもしれない」と評価した。
ただし最高速度は、大人の小走り程度の時速6キロ。走る姿は、どこかユーモラスで可愛らしさもある。視聴者からはツイッターに「けなげ」という感想とともに、盗難や安全性への心配が多数上がっていた。
「簡単に襲われそうだけど大丈夫なんかな。反撃機能とかあんのかな」
「盗まれて終わりだろw」「大阪やったらオバハンのチャリでバーンやで」
ロボットにとって代わられる危機感が現実に
確かに屈強な人が抱えていけそうな大きさだが、もちろん対策は取られている。前後に設置された9個のカメラで周囲の映像を常に録画、遠隔操作で監視する。GPS内蔵なので機械ごと盗まれても所在が分かりやすいし、ロックの解除は本人でなければできない。
歩行者の安全を守るため、センサーが感知して急な飛び出しにも自動停止。200メートル先から走ってくる車も検知でき、横断歩道前できちんと止まっていた。マーティソンCOOは、自信満々でこう語る。
「空を飛ぶドローンよりもはるかに安全です。地上を走るので墜落の可能性もなく、荷物を落として誰かを傷つけることもない」
動力は電気で輸送コストは1回あたり100~200円程度。実用化できれば物流会社にとっては大きなコスト削減になる。まずは欧米の物流会社とリース契約を結び、年内に輸送サービス始める予定だ。番組では予想通り「物流革命になるかもしれない」と紹介していた。
日本への展開の予定はまだないが、もしやるとしてもやはり人の多い都会は難しそうだ。しかし地域によっては、高齢者の買い物代行などに有効活用できるのではないか。便利ではあるが、働く人たちの仕事がロボットにとって代わられる危機感が、また一歩現実になったようにも感じた。
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