リモートワークに慣れてしまった人が、二度とオフィスに戻りたくない5つの理由
米国の大企業はオフィス内にシェフを配置したり、フィットネスクラブを作ったりして、従業員に快適な環境作りをするために、多額の資金を費やしています。しかしリモートワーク歴3年のラング氏は、これに対して疑問を抱いています。
「どうして企業は、従業員にもっとリモートワークを許可しないのだろう?」
2015年の米国労働者の平均リモートワーク日数は、月にたったの2日しかありません。ラング氏がリモートワークを推奨する理由は、以下のようなものです。
1.生産性が上がる
リモートワーカーはオフィスワーカーよりもハッピーなので、仕事を自主的によくこなし、生産性も上がるそうです。ハーバードビジネスレビューの調査では、中国の旅行サイトCtrip社の電話オペレータの半数に9カ月間の在宅勤務をさせたところ、オフィスワーカーよりも13.5%増しで電話をかけ、退職者もほとんど出なかったという結果が出ました。
2.休憩時間を自由に取れる
オフィスでは従業員の一挙手一投足が上司に監視されていますが、在宅勤務では仕事をこなしている限り、いつ休憩を取っても構いません。作業中、定期的に休憩時間を入れるとストレスが減って、作業効率も増すという研究結果があります。50~90分ごとに、15~20分の休憩を入れるのが理想的だそうです。
「通勤中に読書をして時間は無駄にしていない」は言い訳
3.朝寝坊できる
オフィスに出勤するために、夜型の人が無理に朝方の生活を強いられることがありません。
4.通勤しなくて済む
米国では通常、勤務先が交通費を負担してくれません。このため米国人は、年間平均2600ドル(約28万4000円)を通勤費用にかけているそうです。片道90分の通勤をする人は、年間で32日間を通勤に充てていることになります。
通勤ラッシュに巻き込まれることは、健康にもよくありません。「通勤中に読書をして時間は無駄にしていない」とはいっても、退職するまでには数年間の時間を通勤だけに費やしてしまうことになります。
5.理に適っている
多くの経営者は、従業員があちこちに散らばっていては仕事にならないのではないかと懸念するでしょうが、完全リモートワーク(従業員全員がリモートワーカー)で成り立っているベンチャー企業は数限りなくあります。それらの企業が十分な収益を収めていることからすれば、リモートワークはビジネス形態として理に適っていると言えるのかもしれません。
結論としてラング氏は、オフィス勤めの人々に、月にもう一日在宅勤務を増やす許可を願うように勧めます。できれば週に1日でも在宅で働く許可を得られれば、人生の質は明らかに向上するはずだと。
もちろん「評価の機会」や「自己管理」「孤独」といったオフィスワークにはない問題も指摘されていますが、少なくとも「オフィス以外で仕事をすべきではない」という硬直した考えは、もう古くなっているのではないでしょうか。
(参照)5 Reasons I’ll Never Work In An Office Again (Entrepreneur)
あわせてよみたい:妊娠・出産退職者を引き止める「柔軟な働き方」