禁煙に失敗した理由「仕事でストレスを感じたから」が半数 「オフィスの完全禁煙」に矛盾?
同社には2年前から、社員が「3か月間の禁煙」に成功すると会社が治療薬など費用の一部を補助する制度がある。しかしこれまで700人が挑戦し、500人が脱落しているという。
番組には3度目の禁煙に挑戦するKさん(29歳・男性)が登場。過去に禁煙に取り組んだが「その度に失敗している」と照れ臭そうだ。同期社員と支えあって取り組んでおり、処方された薬とガムが手放せない。Kさんは、
「取り組み始めて、臭いがなくなるなどすぐ結果が出るので、家族も喜んでいてくれていると思います」
と意欲的だ。それでも必ず成功するとは限らず、喫煙にはそこまで依存性があるものなのかと、あらためて驚いてしまう。
日本生命の取り組みは、当然ながら社員の健康を向上させるためのもの。その裏には健康管理への積極的な取り組みが、企業の生産性や業績の向上にもつながるという考え方がある。もはや「個人の嗜好の問題」として逃げられるものではない。禁煙しない社員は、会社の足を引っ張ることになるからだ。
「職場のストレス軽減」が悪循環を断つのでは
禁煙の成否も、個人の健康意識の関係している。禁煙補助剤「ニコレット」を展開するジョンソン・エンド・ジョンソンが、禁煙に成功した人と失敗した人を比べたところ、タバコのデメリットを「健康に影響を及ぼす」と答えた割合は、成功した人(72.5%)の方が失敗した人(63.6%)より10ポイント近く高かったという。
その一方で、禁煙のきっかけを「タバコの値上げ」と答えた人の割合は、失敗した人(48.0%)が成功した人(36.0%)より12ポイントも高い。禁煙成功の秘訣は「健康意識を高めること」のようだ。
ちなみにこの調査で、禁煙に失敗した場面を聞くと「仕事でストレスを感じたとき」(50.0%)がトップになっている。仕事でストレスを募らせ、一服して解消しようと思ったら「ここでは吸えません」と言われるのだから、ますますストレスが溜まるだろう。
ストレスの原因となっている会社が禁煙を求めるのは、ある意味で矛盾しているともいえる。まずは会社が少しでもストレスの低い環境になってくれれば、悪循環が断たれ、禁煙に成功する人も増えるのではないだろうか。(ライター:okei)
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