「自分がいないと仕事が回らない」と言う人は絶対ダメ! 三国志の英雄も取り組んだ「誰がやってもできる」仕組み作りの大切さ
周りに「自分がいないと仕事が回らないから休めない」と言い張り、たくさんの仕事を抱え込んで忙しそうに仕事をしている人はいないだろうか。そういった人が増えると、特定の人しかわからない仕事が増え、いざ休まれたときに業務に支障が出てしまうケースもあるが、組織としては困ってしまう。
7月7日、はてなブログで「俺がいなければ職場が回らないって言う奴の無能率は異常w」という記事が投稿され、ネットで話題になっている。
「スティーブジョブスがいなくたってアップルは続くくらいだもんね」
ブログの筆者全マニシキさんは、社会人になってから「俺がいないと職場が回らない!」というタイプの人が気になるのだという。そのようなタイプの人間を「オレマワ」と称した。資格や人員の関係など一部の例外は認めながらも、オレマワタイプは人を信用しない独裁者的タイプや部下を育成できないマネジメント能力不足タイプだと持論を展開。
「オレマワ奴は自分が有能だと思っているので周りを攻撃します。または『使えない奴ばかりだから俺の負担が減らない』みたいに言います。だから育てるのはあなたの職務ですよねw?」
「そのセリフを口にする人間はだいたい無能ですw」
とバッサリと切り捨てている。
この投稿に対し、約300件のはてなブックマークがついた。
「同意。お前なんかいなくても周りがなんとかするから少し休んでリフレッシュして仕事効率上げてほしい。周りを信頼していこうよ」
「きちんと部下を教育してない奴がドヤ顔して言うアレ」
などブログ筆者の意見に賛同するコメントが多く見られる。こうしたタイプは結局のところ「仕事が多すぎて大変な俺、に酔ってる」という指摘もあった。他には、「スティーブジョブスがいなくたってアップルは続くくらいだもんね」と書く人もいたが、確かにその通りである。
「人に仕事をつける」のではなく「仕事に人をつける」
自分(編集部S)の過去の勤務先でも「オレマワ」タイプの人がいた。いつも仕事を抱えて忙しくしていたが、働き過ぎで肝心なときに体調不良で長く休まれてしまい、非常に困った経験がある。オレマワタイプの人には、もっと組織を俯瞰してほしいものだ。
特定の人物でないとできない仕事を避け、平準化して誰がやってもできるような仕組みを作ることは極めて重要だが、これは大昔から変わらないようだ。マーケティングコンサルタント、鈴木博毅氏の著書、『実践版 三国志』(プレジデント社)に興味深い記述があった。
優秀な人材を集めることに熱心だった魏の曹操(155~220)は、側近の軍師に「君に代わってわしのために策を立てられるのは誰か」と聞き、部下自身に代わりの人材を推挙させていたという。
曹操は同じ役割をこなせる人材を常時2~3人用意していたのだそうで、特定の人物が不在のために組織が回らない状況を避けようとしていた。「人に仕事をつける」のではなく「仕事に人をつける」という考え方だったのだそうだ。
また、曹操は「孫子の兵法」の研究家としても知られているが、自分の研究の成果を「新書」としてまとめ、配下の武将たちに持たせていた。そのため、魏の武将は曹操がいない状況でも高い成果を出すことができたという。まさにマニュアル化による平準化だ。
組織としても、特定の人物がいないと回らない状況に問題意識を持つべきだろう。曹操のエピソードにあるように、トップは平時から仕事の平準化を意識して欲しいものである。
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