働く人の髪にも配慮してほしい! 世界初、夏の頭髪リスクに着目した「着帽手当」をユニリーバが提唱
7月に入り、夏らしい気候が本格化している日本列島。7日には都内の最高気温が36.7度を記録。さらにこれから40度近くまで上がる日が来ると想像するだけで、すでに夏バテ気味という人もいるかもしれない。
そんな中、ユニリーバ・ジャパン(東京・目黒区)が、企業などに向けて「着帽手当」と称する福利厚生の導入を呼びかけている。炎天下に帽子をかぶって働く男性従業員の「頭髪リスク」に、企業は配慮すべきと警鐘を鳴らしているのだ。
働くヘルメットの中は高温多湿状態に
工場作業員や運転手、消防士など、危険な仕事から身を守るために真夏でもヘルメットをかぶって働く人たちがいる。激しい雨に打たれる警備員の帽子の中や、ホテルマンのケピ帽、レストランシェフのコック帽の中も汗でムンムンに蒸れている。
頭皮が高温多湿状態に長時間さらされると、汗とともに分泌された皮脂が原因となって雑菌が増え、ニオイの元となる。洗い方が不十分だと当然雑菌が増えるが、洗いすぎても頭皮が乾燥して皮脂が過剰分泌し、髪の強さや美しさに影響が出る。
そこでユニリーバが、ヘルメットや帽子などを着用して働くプロフェッショナルを雇用する企業や組織、団体に対し、頭皮によい自社製品のシャンプーの購入を呼びかけ、従業員に使ってもらうことで頭髪維持に役立ててもらう――。これが「着帽手当」の趣旨だ。
ユニリーバが推しているのは、男性用シャンプーの「CLEAR FOR MEN」。毛穴に詰まった汚れを落とし、男性の頭皮に必要な4種の補給成分を配合し、強く美しく健やかな髪へ導く製品だという。特設サイトでは、夏の労働環境と帽子の中がいかに苛酷な状態かを、オリジナルのヒップホップに乗せた動画で表現している。
ただしシャンプーは無料試供ではなく、ASKULの法人向けWEBサイトから企業が注文する必要がある。いわば男性向けシャンプーの販促キャンペーンなのだが、これまで自己責任で「頭髪・着帽リスク」に対応してきた人たちがいるのも事実だ。心当たりのある企業は、いちど導入を検討してみてもいいのかもしれない。
金谷ホテルやドミノ・ピザなどで導入済み
なお「着帽手当」の試みは、世界初とのこと。すでに金谷ホテル(栃木・日光市)やドミノ・ピザ(東京・千代田区)、「つけめんTETSU」などを運営するYUNARI(東京・品川区)や人力車の浅草 時代屋(東京・墨田区)、プロ野球の独立リーグ「四国アイランドリーグ」などが、手当の支給を行っている。
「働きがいのある会社ランキング」(日経ビジネス)に選ばれた三和建設(大阪・淀川区)でもすでに手当を導入し、プレスリリースで「今後も社員の働きやすさを追求する様々な取り組みを導入し、お客さまにとって使える建物をつくり続けます」と披露した。その他、工場などからも申請が来ているようだ。
ユニリーバの担当者は、ヘルメットや帽子を着用して働く「着帽」も住宅手当や育児手当と同じようにサポートされるべきと指摘し、
「昨今盛んに言われている健康経営など、身体からメンタル面まで社員をケアしていこうという意識の高い企業やスポーツ団体に導入して欲しいですね」
と、帽子をかぶって働く人へ配慮を呼びかけている。
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