通勤電車でストレスを感じること 2位「出入り口から動かない乗客」、3位「他の乗客の臭い」
通勤通学電車は、都心へ向かうほど乗車率が高くなり混雑レベルが半端なくなってくる。それがイヤで地方に移住したり在宅で独立開業したりする人がいるくらいだ。日本人はどのくらいの人が満員電車に乗り、そのストレスにさらされているのだろうか。
10月11日、マクロミルが、「通勤通学電車の状況について」のリサーチ結果を発表した。調査対象は東京都内・大阪府内に電車で通勤・通学をしている20歳~59歳の男女で、2000人から回答を得た。(文:okei)
一番のストレスは満員電車そのものだが、マナーを守らない乗客にも困惑
注目は通勤通学時に「満員電車に乗ることがある」という回答で、東京は86%、大阪74%と全体で80%以上の人が、毎朝満員電車に揺られてがんばっている。
混雑レベルは東京・大阪とも最多が「手足は動かせるが、身体の位置は変えられない」で26%(東京30%、大阪23%)、次いで「身体の向きは変えられるが移動はできない」が23.3%となった。「まったく身動きが取れないレベルの混雑」も10人に1人は経験している。
こんな状態では通勤通学電車で「何らかのストレスを感じている」と答えた人が95%なのも当然の結果だ。「ストレスを感じること」としては、
1位「満員電車・混雑」46%
2位「乗降時に出入り口等から動かない乗客」44%
3位「他の乗客のにおい(汗臭さ・香水など)」43%
となっている。ちなみに、4位は「ヘッドホンからの音漏れ」37%、5位は「電車の遅延」37%で、「他人にぶつかる、押される」や、「順番を守らない人」など、マナーの悪さや自分ではどうしようもないことに苛立ちが募るようだ。しかし結局は混雑そのものによって起こるストレスが圧倒的で、1位の結果は、「とにかく混んでるのがヤダ!」という叫びにも感じられた。
筆者も会社員の頃、埼玉の自宅から東京・目白に向かう際JR山手線を利用していたが、あまりにもぎゅう詰めなので「ハッ」と両足を床から離してみたことがある。みごとに浮いた。体の弱い人なら圧死しかねないレベルだ。持っていた折りたたみ傘を落とした時には回収不可能。到着時に向かい側の出口にたどり着けずそのまま乗り過ごしたこともある。以来、人を押しのけることを自らに課したものだ。まさに戦場である。
小池百合子都知事は「満員電車ゼロ」を掲げるが
ちなみに、バス利用なども含めた通勤通学にかかる時間で一番多かったのは「1時間程度」で約20%。次いで「40分~45分程度」18%、「50分~55分程度」13%となる。しかし1時間以上かかる人を合計すると50%以上(東京55%、大阪45%)で、全体の半数以上にのぼることが明らかに。多くの人が毎朝長い時間をかけて通い、満員電車で戦っていることがわかる。
調査では、通勤通学電車の混雑を緩和するアイデアも訊いていた。時差出勤やフレックスタイム、在宅勤務を導入するなど、企業に「柔軟な働き方」の改革を求める声が最も多かった(31%・613人)。小池百合子都知事は公約のひとつに「満員電車ゼロ」を掲げている。ゼロとまではいかなくとも、完全にキャパオーバーの現状をなんとか緩和してもらいたいものだ。