「アルバイトにはお金以上の価値がある」広告コピーが物議 「それは世の中に余裕があった頃の話」というツッコミも
ツイートを見た人からのリプライには、驚きや拒否反応の声が上がっていた。
「え!?バイトって金を稼ぐためにやるものじゃないの?」
「こう言えば安くても働く」
「こういうのをやりがい搾取と言います!(中略)少なくとも大学生は生活のためにバイトしていますよ!私もそうでしたね!教科書買うために」
中には、「私が本当にイヤイヤながらも仕方なく働いているのは、家族と生きていくのに『お金をもらう為』のみです。『やりがい』など微塵もありませんw金ですよ、金!!それだけw」とまで言う人も。法律を無視したブラックバイトが問題になる中、世間は「やりがい搾取」に敏感だ。
この広告は、アルバイト・求人情報の「an」と金城学院大学(愛知県名古屋市)の学生達との共同プロジェクトによるもの。コンセプトからシナリオ作成、撮影・編集まで学生主体となって制作したというオリジナルCMの動画が、anのウェブサイトと一部の駅で公開されている。
内容は、飲食店を舞台にした「失敗してもいいじゃない編」「不純な動機でもいいじゃない編」の他3編。うまく行かないときでもお客様に感謝されたり、先輩にフォローされたりしながら前向きにアルバイトを頑張っていくという物語だ。学生さんクオリティは否めないものの、「アルバイトが良い出会いや経験の場になっている」と伝えたいことは分かる。
「やりがい」昔はあったが…今は学生たちに余裕はない
ツイートの中には、「でもやりがいなかったらソッコー職変えるけどなー」など、冷静な意見もあった。
「昔はあったよ世の中に余裕があった頃」
との指摘もある。確かにバイト代を遊興費に使えた20年ほど前なら、やりがい云々言う余裕もあっただろう。
現在の大学生は学費を自分で稼いでいる人が多い上、過剰な責任を課すなどのブラックバイトも問題になっている。余裕なく働き続けなくてはならない学生には、「アルバイト=お金じゃない」という言葉は屈辱的にすら響くだろう。
しかし、仕事がお金以外にまったく価値がないと否定はし切れないだろう。交友関係や仕事経験、視野が広がるなど、プラス面もあるはずだ。ただ、それも自分の働きによって正しい報酬が得られた上でのこと。現在のアルバイトはそれを感じにくく、ことさら「やりがい」を言い立てても共感は得られにくい。かなりツライ世の中になっていることを改めて感じた。
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