20代が希望する埋葬方法1位は「部分散骨」 自然に還りたいが、少しはお墓に埋めてほしい
全体では「先祖代々のお墓」(30.2%)と「部分散骨」(29.7%)が拮抗した。世代別に見ると、20代から40代まではそれぞれ「部分散骨」がほかの選択肢を大きく離してトップに立ち、反対に50代・60代では「先祖代々のお墓」が最多だった。
若い世代には「部分散骨」という新しい供養が受け入れられていることが分かる。しかし、部分散骨はあくまでも遺骨の一部を散骨し、残りはお墓や納骨堂に納めるものである。亡くなった後はお墓に入るという選択肢は、未だに強く根付いているようだ。
また、既婚か独身かで分けて結果を見てみると、既婚者の34.4%が「先祖代々のお墓」を選んだのに対し、独身者は41.5%が「部分散骨」を希望している。
結婚して家庭を持つと、個人の思いだけで行動できる場面は減る。その反面、日常生活に加えてお盆やお正月などの年中行事で、家族や「家」という単位を意識する機会は増える。独身者と既婚者の回答に違いが生まれたのは、こうした背景を反映しているのかもしれない。
「全部散骨するのは良いとは思わない」が64.3%と圧倒的
アンケートでは「部分散骨」を選んだ人に、散骨がいいと思う理由についても聞いた。ここで興味深いのは、「イメージがいいから」(4.4%)、「海や山が好きだから」(7.5%)よりも「散骨(すべて散骨)は良いとは思わない※()内編集部補足」(64.3%)と、消極的な理由が大半だったことである。先祖代々か個人かは問わず、基本的にはお墓や納骨堂など埋葬場所が特定できる施設に埋葬してもらい、一部は自由に海や山に撒いてほしいというのが本音のようだ。死後にお参りに来てくれるであろう友人や知人、家族の立場を考えると、埋葬場所がまったく特定できないのは供養する側の気持ちの整理がつきにくいと思ってのことだろうか。
最初の質問「あなたは亡くなったら、どこに入りたいですか?」に、「すべて散骨」と答えたのは15.4%。一部でもお墓に入ることを希望している人が85%程度だということを鑑みると、散骨はあくまでも補完的な埋葬方法のようだ。
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