中高生の約7割が「10年後が不安」 今の大人に対しては「疲れている」「楽しくなさそう」とネガティブなイメージ
中高生と言えば、夢と希望に満ち溢れている。そう思う大人、というよりそう思いたい大人も少なくはないだろう。
ソニー生命保険は4月25日、「中高生が思い描く将来についての意識調査」の結果を発表した。調査は3月21日~3月27日、全国の中高生1000名(中学生200人、高校生800人)にインターネットで実施した。
10年後の日本に対して「不安を抱いている」が6割
まず4月からの新生活(新学年)について、明るい見通しをもっているか、不安を抱いているか聞いたところ、中学生では「明るい」と回答した人は合計61.0%、「不安」が合計39.0%となった。高校生では「明るい」が58.6%、「不安」が41.4%となった。4月からの新生活に、希望をもって、ワクワクしている中高生が多いようだ。
また自身の将来について中学生聞くと「明るい」という回答は、「1年後の自分」では62.0%、「3年後の自分」では60.5%、「10年後の自分」では54.5%だった。高校生についても同様に54.0%、54.2%、47.0%となっている。未来になるにつれ、「明るい」と言い切れなくなっていく様子がうかがえる。
10年後の日本に対してどのような見通しをもっているかも聞いた。「明るい見通しを持っている」と答えた中学生は38.5%で、一方「不安を抱いている」は61.5%だった。高校生も31.4%、と68.6%とほぼ同様の結果となった。
10年後の世界に対しても、「明るい見通し」と答えた中学生は37.5%、「不安を抱いている」は62.5%。高校生も31%と69%と、日本にも世界にも不安を感じている人が多いようだ。
「安定した毎日」を求める一方、女子中学生は芸能界を希望?
「大人」に対するイメージも、中学生は「大変そう」(87.5%)、「疲れている」(88.5%)、「楽しくなさそう」(66.5%)、「暗い」(61.5%)。高校生でも、「大変そう」(93.2%)や「疲れている」(92.5%)、「楽しくなさそう」(73.5%)、「暗い」(67.6%)と、中高生は大人にネガティブなイメージを持っているようだ。
将来なりたい職業については、男子中学生・高校生1位は両方「ITエンジニア」(中学生24.0%、高校生20.8%)。その他、ゲームクリエイターや公務員、学者・研究者とランクインする職業に大きな変化はない。
一方で女子中学生1位は「歌手・俳優・声優」(19.0%)、2位「絵を描く職業」(14.0%)と夢のある回答が上位だったが、女子高校生は1位「公務員」(18.8%)、2位「看護師」(12.8%)と堅実に考える人が増えている。
また、将来の夢を聞いたところ中学生は、「安定した毎日を送る」(38.5%)が最も多い。次いで、「好きなことを仕事にする」(38.0%)、「あたたかい家庭を築く」「趣味を充実させて生きる」(同34.0%)と続く。
高校生も、「安定した毎日を送る」(42.4%)が最も多く、以降「好きなことを仕事にする」(41.8%)、「あたたかい家庭を築く」(38.3%)。
また「お金持ちになる」は、中学生は26.0%、高校生は25.8%とどちらも6位となり、大きな成功をおさめるより、自分らしく働きながらあたたかい家庭を築き、安定した生活を送ることを望んでいる中高生が多いことがわかった。