ゲームを禁止しても学校の成績に変化なし むしろ集中力や計画性が養われる傾向も
調査によると小学生の95.4%は「ゲームで遊んでもいい」とされており、禁止されている小学生は4.1%に留まっている。
しかしかつて「勉強しなくなるから」といわれ、ゲームを禁止されていた人もいるだろう。現に小学生の1日の平均勉強時間は、ゲームを禁止されている子どもが89分、ゲームをしてもいい子どもが82.3分と、ゲームNGの子どもの方がやや長くなっている。
一方、家庭でのゲーム利用別に見ると、「成績はいいと思う」「まあまあいいと思う」と回答した小学生の割合は「ゲームOK」(94.9%)と「ゲームNG」(93.3%)の間で差はなかった。
また子どもの成績について「いいと思う」と回答した親は、ゲームOKが93.8%、ゲームNGが93.3%となっており、こちらも差はない。ゲームをしているから成績が悪くなるとは必ずしも言えないようだ。
「ゲームに対してどう付き合っていくか、自分で判断する主体性を育むことが大切」
ゲームがOKな家庭の子どもとNGな家庭の子どもでは、自律心などに影響はあるのだろうか。勉強への集中力について聞くと、ゲームOKの子どもは「集中してできる」が81%で、ゲームNGは73.3%となった。親の意見も同様で、ゲームOKは74.8%、ゲームNGは60%だった。
夏休みの宿題を「計画的にできる」と答えた子どもはゲームOKが70.5%で、NGは60%。進め方については「自分で進める」がゲームOKは75.9%だった。しかしNGは46.7%に留まり、半数以上が「人に頼る」(53.3%)と答えている。
親に「子どもはルールが守れる性格か」と聞くと、ゲームOKは88.7%、NGは73.3%と回答している。少なくともゲームOKにしている親の方が、子どもには集中力や計画性があり、ルールを守れると、感じているようだ。
ゲームと家族との関係についてみていくと、「家族と1日の会話時間」はゲームOKの家庭は90.5分に対し、NGは62.5分と30分近く短くなっていることが分かった。
親に「子どもに悩みを相談されるか」と聞くと、ゲームOKは70%、NGは66.7%が「される」と回答している。ゲームOKの家庭の方が親子間のコミュニケーションはうまくとれているようだ。また成績上位層になるにつれ「親子でゲームをする」割合が増えている。
東京都小金井市立松原小学校の松田孝校長はプレスリリースで、保護者からすれば、依存や視力の低下を恐れゲームから遠ざけようとするがシャットアウトするのはよくない、と語っている。
「子どもたちはこれから先もゲームやデジタルと関わらない環境に暮らすことはありません。ですから、自然と触れさせることで、ゲームに対してどう付き合っていくか、自分で判断する主体性を育むことが大切です」