「バブル世代が羨ましい、人生つまんねぇ」と嘆く氷河期世代 「時代のせいにするな」という声は届かず
1980年代後半から1990年代初めにかけて、日本が好景気で調子に乗っていた時代を「バブル期」と呼ぶ。その頃を知らない世代からすれば、バブル世代はかなり恵まれた人生を送っているように見えるだろう。
先日、2ちゃんねるに「バブルの頃20代だった奴らが羨ましすぎる・・・」という話題があった。バブルの頃20代といえば、主に今の50代だ。スレ主は
「若いうちに世の中の旨味を全て味わいつくし、老後は安泰。刺激と快楽と幸福と安心に包まれた人生」
と、バブル世代に過剰な憧れと嫉妬心を抱いているようだ。(文:okei)
「いいかげんにしろよ 少し分けてくれよバブル世代の幸せを」
さらに、「ボディコンギャルと(中略)しゃぶしゃぶ食って タクシーで帰るんだろ。海に行けばハイレグがいっぱい(中略)夏のボーナスで新車買って冬のボーナスで海外旅行だろ。俺もそんな20代過ごしたかった」などとバブルの伝聞情報を並べていた。どうやら、自分の人生と引き比べてかなりの不満がたまっているらしい。
「氷河期世代は 朝起きて仕事してスーパーの弁当食って寝るだけの人生」 「みんな金無いからブサメンはとことん女にモテないし。なんでこんなに人生つまんねぇの」「いいかげんにしろよ 少し分けてくれよバブル世代の幸せをよ」
などと吐き捨てる。親には「いつ孫の顔が見られるんだ」と言われるが、孫どころか「彼女すらいたことねぇんだよ」と嘆きの嵐だ。確かにそんな状況でバブル時代の話を見聞きすれば、激しい嫉妬で怒りすら湧くのも理解できる。
ちなみに筆者は10代後半から20歳までがバブル期だったので、その頃の空気がまあまあ分かる。確かに学生は今より余裕があったし、営業部長は湯水のごとく接待費を使ったことを自慢していた。
それに比べて現在は、接待費どころか長時間労働なのに残業代も削られ、頑張って働いてもどうしても限界が見えてしまう。
「納得がいかない。バブル世代に偉そうにされるとぶん殴りたくなる」
とバブル世代を敵視するスレ主。これは、「親世代が当たり前にできたことが、自分(世代)には難しい」という苦しみでもあると思う。それを分かろうともしない親や上司に、ズレた価値観を押しつけられて辛いのではないか。
「人と比べて自分が幸せか不幸か判断する奴に、一生幸福は訪れない」
スレッドは「寂しくて苦しい時代に生まれちまったよな。こんな時代に何を期待して生きりゃいいんだか」という共感が上がっていたが、一方で、冷静な意見も多い。「嘆くパワーを向上に使えよ。だからお前はモテ無いんだよ」などのツッコミや、そもそも「世は平等じゃないぞ?生まれる国も親も顔も選べない」などと諭す声だ。
「人と比べて自分が幸せか不幸か判断する奴に、一生幸福は訪れない」
「人のせいとか時代のせいにしとらんでしっかりやろうぜ」
との言葉に、筆者も同感だ。他人を妬んでも何も変わらないし、自分が惨めになるばかりだろう。正直、スレ主はバブル時代の極端な映像ばかり目に焼き付いているらしく、かなり「カネと女」に対する欲求不満をこじらせているなと感じてしまう。
だいたい、バブル世代だって皆がボディコンで踊り狂っていたわけじゃないし、いい車に乗っていい女と付き合っていたわけじゃない。「刺激と快楽と幸福と安心に包まれた人生」であるわけもない、と言いたいところだが…。
「格差の線引きが露骨すぎて 比較すんなって言われても無理があんだよ(中略)貧乏人の不満をごまかすための嘘に騙されてたまるか」などと怒りに満ちたスレ主には、届かないようだ。こういう人が心安らかに生きていくには、一体何をどうすればいいのか。せめてバブル世代は、バブル期のバカ騒ぎ自慢や的外れな価値観の押しつけは、しないに越したことはない。
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