介護福祉士の9割が「不満」 資格を取っても「勤務先のカーストは下のまま」「ヘルパー2級のときと仕事が変わらない」
介護福祉士の手当額を聞くと、最も多かったのは「5001~1万円」で29.1%。以降「1~5000円」(26.9%)、「1万1~2万円」(19.4%)、「0円」(18.6%)、「2万1~3万円」0.7%と続く。手当の支給額が5000円以下と回答した人は合計45.5%で、手当がないという人も2割近くいた。
資格を取得してからの実務内容について聞くと「変化はなかった」が80.6%で、「変化があった」は19.4%に留まった。「役職がついた」(デイサービス勤務、50代・女性)という人もいたが、
「サービス提供責任者になり、現場と書類作成、ヘルパーの育成を担当するようになった。仕事量が増えすぎた」(訪問介護勤務、40代・女性)
と嘆く人も少なくはない。資格取得後の周りからの期待や接し方について聞くと「変わらない」が最も多く、62.7%。以降「仕事を任される機会が多くなった」(28.4%)、「指摘が多くなり、厳しくされるようになった」(12.7%)と続き、「褒められることが増え、優しくされるようになった」は3.0%に留まった。
「資格を取っても給料がたくさんあがるわけでもない」
しかし「介護福祉士を取得して良かったと思いますか?」という質問に79.1%が「はい」と回答している。理由としては「仕事をしていると資格を聞かれて、国家資格をもっているだけで安心して貰える」(訪問介護勤務、40代・女性)など、資格を持っていることが重要だという声が多く寄せられている。
一方で「いいえ」(20.9%)と答えた人は、
「資格を取っても給料がたくさんあがるわけでもないし、施設の中でも看護師、ケアマネ、相談員…の下の格付けにはかわらないから」(有料老人ホーム勤務、30代・女性)
と取得しても何も変わらないと感じている人も多い。中には「取得してだいぶたちますが、いまだにヘルパー2級をもっていた頃とやっていることは同じ」と、無資格者との違いがないと感じている人も。この結果について同社は、
「(資格を取っても)約8割の方が業務内容に変化なしと答えています。せっかく時間もお金も使って『介護福祉士』を取得したとしても、5000円以下の手当と変わらない業務内容では、取得したいと思わない方が増えても仕方ないかもしれません」
と分析し、「介護福祉士の人気を上げるために改善すべきこととは、何なのか。じっくりと考えていきたいです」とプレスリリースで述べていた。
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