ホリエモンの「保育士は誰でも出来る仕事」に反論相次ぐ フローレンス駒崎氏「研究者などの専門家が、誤解訂正すべき」
保育士の給与の原資となる保育料は、各家庭の経済状況に応じて負担額が異なる。保育所運営に不足する分は補助金で埋め合わせることで、預かる子どもの経済状況が変化しても保育所の収入が安定するよう図られている。このため利益が急激に小さくなることは免れるものの、一定限度以上に大きくなることも見込めないのが今の仕組みだ。
また、子ども数人あたりの保育士の最低配置人数も法律で定められているため、多くの子供を少ない保育士で見るのも限界がある。ただでさえ人数が少ない保育士の数を更に減らし、法定人数通りにしたところで負担が膨大するだけで、現実的ではないとの見方もある。
駒崎さんはキャリコネニュースの取材に対し、「保育士の給料を上げるには、補助金の増額以外にない」と話す。ヤフーニュース個人に掲載した記事では、保育士の給与問題に関心の高い政治家を選ぶ重要性を説いていたが、これに加え、ネットで声を上げることも有効だと言う。
「政治家は、世間の話題や関心がもたれていることには手を打とうと動きます。保育士問題も、『保育園落ちた日本死ね』の炎上でようやく認識され、これまで何年訴えてもだめだった給与増額が実現しました」
堀江氏の発言については「明確に誤解」と感じたというが、堀江氏の発言そのものより、
「本当なら、アカデミックで保育や保育政策の研究をしている専門家がカウンターメッセージを出して誤解や情報不足を補っていくのが大事だと思います。誰もまとまった意見提示をしていないのが気になります」
との問題点を指摘した。
「ちなみに俺子育て2年くらいしてたよ笑」と堀江氏
希望の党公認候補の杉村慎治氏も16日夜、自身のブログに「政治家として、『保育士の給与が低い理由』に答えます」という記事を投稿。「保育士の給料が安いのは、『誰でも出来る仕事』だからではありません。政治家が、国が、保育士の給与を低い水準に設定しているからです」とこの件についてコメント。さらに
「<「誰でも出来る仕事」ではない仕事>の給与が、最低賃金とそう変わらない水準であることが、この国の最大の問題点です」
との意見を述べた。杉村氏は、番組製作会社や国会議員の秘書を経て、今年初めて衆院選に出馬した新人だ。比例代表、小選挙区の双方に立候補している。
堀江さんは、17日もツイッター上で本騒動に言及している。ユーザーから駒崎さんの記事を紹介され、内容に目を通した様子も伺えるが、「誰でも出来ることは事実」と、自らの主張は変えていない。キャリコネニュースの記事には「ちなみに俺子育て2年くらいしてたよ笑」とコメントし、「ホリエモンに子供の面倒は見られないだろう」といった批判に、暗に対抗していた。
※ウェブ媒体やテレビ番組等で記事を引用する際は恐れ入りますが「キャリコネニュース」と出典の明記をお願いします。