「早くて午前0時退社、残業時間は月300」――厚労省「過重労働解消相談ダイヤル」に寄せられた悲痛な声
相談内容の中でも最も多かったのは「長時間労働・過重労働」(37.0%)で、以降「賃金不払残業」(29.9%)、「パワハラ」(7.6%)と続く。相談者の54.4%は労働者で、28.8%は労働者の家族だった。
相談が多かった業種は「保健衛生業」(12.8%)、「商業」(12.2%)、「製造業」(11.1%)となっている。
寄せられた相談事例を見ると、映像・音声・文字情報制作業に従事する20代技術職者は「早いときでも午前0時、遅いときは午前3時まで残業を行っており、月の残業時間は300時間を超えていた」という。実際、本人を含め同期入社の大半は退職しているようだ。
他にも「休日出勤をしても自ら申請は行わずに勤務実績を残さないようにしている」(建築工事業/40代)などという長時間労働に関する相談が寄せられた。
「サビ残が当たり前。朝3時から出社しても『自己都合』」
また賃金不払残業については、運送業の管理を行う50代から「所定労働時間は朝6時からの勤務であるが、朝3時や4時など前倒しで勤務させれている」という声が。しかし会社からは自己判断による勤務とされ、「『サービス残業は当然』という風潮がある」ようだ。
冠婚葬祭業の事務従事者は、勤怠管理を出勤簿で行っており「早出や深夜に及ぶ残業を把握していないため、残業代は支払われていない」という。また残業代を会社に請求すると、残業代より少ない一定額の手当を支払っていることを理由に拒否されるという。
パワハラについては、電気機械器具小売業で働く50代から
「有期契約の社員であったが、社長から時間給のパートに変わるよう言われ、休憩なしで仕事を続けさせられるなど嫌がらせや圧力をかけられた。パートに変わることを断り続けていたところ、即日解雇を告げられた」
という相談があったという。ある20代システムエンジニアは、派遣先の上司から日々叱責を受けており、
「仕事が遅れたときには『ボンクラ』など人格を傷つける言葉をずっと言い続けてくる。この上司と同じ部署の職員は皆辞めていった」
という。
現在も、労働条件に関する相談は、電話「労働条件相談ほっとライン」で受け付けている。また労働基準法などの違反が疑われる事業場の情報もメール受付している。
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