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「著作権侵害訴訟」を謳う新手の架空請求はがきが話題に 「知的財産教育協会財団」を騙る

実在団体の「知的財産管理技能士会」がフェイスブックに掲載した注意喚起画像

実在団体の「知的財産管理技能士会」がフェイスブックに掲載した注意喚起画像

このほか、異議申し立てがある場合は最終期日までに電話すること、連絡がない場合は原告側の主張が全面的に支持され、「給与差押え及び動産物、不動産物の差押え(原文ママ)」を強制的に行うと書かれている。消印が11月25日で最終期日が28日と日にちに余裕がないことなどからも、架空請求の典型的な手口だと推測できる。

はがきにある「千代田区神田錦町三丁目11番地」の住所には賃貸ビルが建っており、そこには、「知的財産管理技能検定」の運営や知財に関する研究・調査を行う「一般財団法人知的財産研究教育財団」が入居している。同団体は通知はがきとは無関係であり、11月27日には公式サイトでこの件に関し

「問合せ窓口と書かれた電話番号には、絶対にご連絡をされないようお願いいたします。皆さまには、細心のご注意をいただきたく何卒よろしくお願いいたします」

と注意喚起していた。

SNSに画像投稿している人に「もしかしたらあのときのがばれたかな」と思わせる

インターネット関連の架空請求のはがきというとこれまで、アダルトサイトの登録料などを謳うケースが多かった。そこに「著作権」の文言が入ってきたのは新しい流れだ。

ITジャーナリストの井上トシユキ氏は、こうした変化の背景には「インスタ映え」に代表される、画像投稿機会の増加があると分析する。

「ブログやSNSで、他人の撮った写真を無断でダウンロード・使用している人は少なくないと思います。また、自分で撮影・投稿した画像でも、映り込みに注意を払っている人はそんなにいないでしょう。『もしかしたらあのときのがばれたかな』という心理にさせ、金銭をだまし取ろうと踏んでいるんだと思います」

著作権に関して意識的に注意を払い、無断使用をしないよう心掛けている人でも、自分で撮影した写真の映り込みの処理まで徹底出来ている人は多くないと思われる。映り込みはプロの世界でも揉めることもあるほど、トラブルの種になりやすいという。

今回は架空請求だったが、SNSが普及した今、著作権侵害でトラブルに巻き込まれる危険性は現代では誰もが持っている。井上氏は、「架空請求はがきに騙されず、また実際にトラブルを起こさないようにするためにも、学校や保護者が子どもに著作権に関して教え、啓蒙する必要性がある」と主張していた。

※ウェブ媒体やテレビ番組等で記事を引用する際は恐れ入りますが「キャリコネニュース」と出典の明記をお願いします。

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