「アニメイトがある街は都会。とらのあながある街は大都会」 2000年代の地方在住「田舎オタク」が感じていたこと
先日、2ちゃんねるで「田舎、地方に住んでるオタク」というスレッドを見かけた。2006年からある息の長いスレッドだ。その書き込みの中から、地方オタクあるあるめいたものが目に付くため、いくつか紹介していきたい。
「田舎は『普通』の定義が物凄く狭い。田舎って、同じような価値観の人間しか住んでないんで、多様性という概念が無い。オタクだとバレたら人権を失う危険がある」
「アニメイト行くのにすげー時間かかる」
「民放3局だし、大半のアニメはケーブル等入れないと見られない」
「広島だがアニメ少ないし、お店もメイトと虎ぐらいしかないし、本当に早く広島から出たいよ」
このあたりは、今も昔も変わらない、オタクが抱えるジレンマとして、当事者たちならよく理解できるところなんじゃないだろうか。
引用した文の中にある「虎」と「メイト」とはオタクショップの「とらのあな」と「アニメイト」のことである。個人的には「この2つの店があるんなら上等じゃないの?」という気がしてしまう。実際この書き込みには「アニメイトがある市は都会 。とらのあながある市は大都会」とのレスも付いていた。
オタクにとって東京は今もメッカなのかも
さて、引用して紹介した書き込みの一節の中に、「田舎は多様性がない」「オタクとバレたら人権を失う」とする声があった。これ、結構的を得ている気がする。
さすがに地域によるかもしれないけど、昔ながらの狭い価値観がまかり通っているエリアって、未だに存在するのだ。アニメ。それも美少女モノなんか愛好しているオタクは、頭のおかしい人として扱われるし、家族からの心象は非常に悪い。
「地元からの信頼を失う」という書き込みもあったけど、そもそも信頼を獲得している前提で書き込んでいるのが田舎オタクらしく呑気だなぁと思うけど。
民放が少ないという意見もあるが、チャンネルが少なければ、アニメなり特撮なり、オタクコンテンツを見る頻度も物理的に落ちる。ネット配信や通販が当たり前になった今は幾分マシだが、スレの立った2006年当時はまだその辺りも十分普及していなかったし、この時期のオタクたちは、さぞ難儀したことだろう。
僕の出身は宮崎だったが、民放は2つしかなかった。16時からの「天才バカボン」がようやく最終回になって、次は何がスタートするかと思ったら、また「天才バカボン」が1話からスタートしたぐらい、アニメのレパートリーは少ない少年時代を過ごしていたものだ。面白かったからいいけど。
都会は人付き合いもドライだ。だからオタバレしようと「気持ち悪っ」と近隣に警戒されることはあっても、村八分にはならない。アニメイトなどの専門性の高いショップも、都会には多い。なんせテレ東やMXでやっている深夜アニメも普通にリアルタイムで視聴できる。田舎の人からしたら今でも都会はオタクに親切なエリアなのだ。
オタクにしてみれば、首都圏では当たり前のようにコンテンツが享受できる聖地。彼らが東京に憧れを抱くのは、今も昔もそんなに変わらないのかも知れない。
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