「ゆうパック」配達巡る混乱は本当に解消したのか 組合「胸を張って遅れは無い、と言える状況ではない」 | キャリコネニュース - Page 2
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「ゆうパック」配達巡る混乱は本当に解消したのか 組合「胸を張って遅れは無い、と言える状況ではない」

「大きな遅れは無く、今後もない」と同社は言いますが……

「大きな遅れは無く、今後もない」と同社は言いますが……

日本郵便によると、9月のゆうパック取扱量は、前年同月比17%の増加だった。10月、11月もそれぞれ23%増、25%増と、引受量は多い傾向にある。12月は20%ほどの増加になる見通しだ。

広報担当者に遅れの原因を聞くと、「EC市場の活性化で荷物の総量が増えました。また、正確なことは分かりませんが、ヤマト運輸や佐川急便が運賃を値上げした影響も、可能性としてはあります」という見方を示した。

ヤマト運輸は今年10月、運賃を140円~180円値上げした。佐川急便も11月に60円~230円上げている。ゆうパックは来年3月に価格を改定予定だが、現時点では60センチサイズの荷物の運賃を見ると、ヤマトの907円、佐川急便756円に対し、ゆうパックは690円と最安値だ。コスト削減したい企業や個人では、ゆうパックを選ぶところも多くなるだろう。

同社は11月の時点で、12月の引受量が前年より増えると見込み、区分けアルバイトの採用数を増やしたという。現在人員は100%近く充足しているため、「人が少なくて区分けできないとか、荷物が届けられないといった状況は生じていない」と主張する。

12月15日にはホームページ上で、年末年始のゆうパックが1日~2日程度遅れると発表していたが、これは「高速道路の渋滞や航空機への貨物搭載制限など、例年と同じ理由」であり、他社の値上げや人員不足のせいではないと強調した。

再配達時間に遅れることもあり「決して余裕があるわけではない」

ただ、郵政産業労働者ユニオンの担当者は、「値上げした他社の分がこちらに回ってくるのは明らか。状況は確かに落ち着いてきたが、職員総出で遅れが出ないようなんとか食い止めている。地域や局によってはまだ大変なところもあり、胸を張って『遅れは無い』と言える状況ではない」と言う。

「通常の配達には間に合っても、再配達の時間に遅れて怒られたという話を組合員から聞いている。決して余裕があるわけではない」

ゆうパックの配達は郵便局職員ではなく、契約する委託業者が行っている。引受量が増え、委託業者だけの配達では回らないことから、普通郵便の配達を終えたスタッフや本社・支社の職員、現場管理職が応援に入っているそうだ。中には休日出勤をして手伝う職員もいるほどだ。

24日頃からは年賀状の配達準備に取り掛かるため、ゆうパックを手伝っていられる状況ではなくなる。ユニオンの担当者は「普段から勤怠管理がいい加減なので、サービス残業が横行している局もあると思う。職員は今、普段以上に休めていないのではないか。混乱は当分続くと思う」との懸念を示していた。

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