「子ども/孫に勤めてほしい企業」ランキング 「安定の公務員」、次いでトヨタや全日空が上位に
親や祖父母に「こんな企業に勤めてほしい」と言われたところで、実際に勤められるわけではない。が、まとまったデータで見てみると、祖父母や親世代の職業観や企業好感度がある程度分かるものだ。
リスクモンスター株式会社は2017年12月28日、第6回「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」の調査結果を発表した。調査は 8 月 28日から30日の3日間、全国の「未成年の子、または孫をもつ20~69歳の男女個人」、計800人(男女の子供:各200人、男女の孫:各200人)からインターネットで回答を得た。(文:okei)
安定の公務員は不動の人気、トヨタ・ANAは民間で上位堅持
「子どもや孫に勤めてほしい企業」のランキング上位10位は下記の通りである。選択対象企業は、各業界の大手企業・組織200社を抽出した。
1位:「国家公務員」(20.3%)
2位:「地方公務員」(15.8%)
3位:「トヨタ自動車」(9.5%)
4位:「全日本空輸(ANA)」(7.6%)
5位:「日本航空(JAL)」(5.5%)
6位以降は「NTTドコモ」「三菱商事」(同率4.3%)、8位「花王」「資生堂」(同率3.9%)、10位「東日本旅客鉄道(JR東日本)」(3.8%)と続く。
やはり「国家公務員」「地方公務員」が不動の人気を誇り、前回との比較では5位までの順位は変わらなかった。「国家公務員」を選んだ理由については「安定しているから」との答えが非常に多い。
「一番手堅いし、老後の生活の心配もない。大手の会社といえど今の世の中何があるかわからない。でも、最後は本人の希望と成績いかんではないだろうか」(60代女性)
また、地方公務員は
「安定している。転勤があっても転居を伴わないことが多い。」(60代男性)
という理由が目立つ。子どもや孫には、実家の近くや地元に残って欲しいという希望もあるようだ。
公務員を除くトップの「トヨタ自動車」は、第2回調査から5回連続で1位、「全日本空輸(ANA)」は過去6回の調査ですべて2位以内と、高い人気を維持し続けている。
商社が目立ってランクアップ、グローバルに活躍する子・孫に期待か
一方で、前回より大きくランクアップしたのが「NTTドコモ」(前回23位→6位)、「東日本旅客鉄道(JR東日本)」(前回22位→10位)、「伊藤忠商事」(前回26位→17位) 、「三井物産」(前回29位→17位)で、全体としては特に商社のランクアップが目立った。
また、前回上位20位以内だった「パナソニック」(前回6位→22位)、「楽天」(前回9位→48位)、「三井住友銀行」(前回11位→32位)が大幅にランクダウンしている。
商社を望む理由としては、「海外で活躍できそう」(50代女性)、「地球規模での企業であり世界で活躍してほしい」(60代女性)などがあがっている。これは「トヨタ自動車」の理由でも「世界を代表する企業だから」(40代男性)などがあり、我が子や孫がグローバル時代において世界で活躍することを期待する向きもあるようだ。
調査結果ではこれを、「安定企業であることの他に、企業で働くことに対し、夢を抱いている様子もうかがえる」などと分析している。
地方公務員で自分のそばにいて欲しいと望む親もいれば、世界に羽ばたけと願う親もいる。しかしどちらも「安定」は欲しいようだ。親・祖父母の立場なら当然のことだろう。