「地方都市暮らしが一番幸福度高そう」という見方 確かにその通りだけどデメリットは「若者の遊び場がない」こと
僕は田舎の出身なので、基本的に街に駅員さんがいて、自動改札もある駅を見るだけで「あ、ここは都会だ」と思ってしまうところがある。もっといえばイオンさえあれば、もう最高で申し分がないと感じる。(文:松本ミゾレ)
これまで小田原、横須賀、福岡、新潟と住む場所を転々としてきたが、いずれの街も僕にとっては非常に住みよい都市だった。逆に都内で暮らしたときには、夜にうるさくて外は明るかったのがダメで、早々に撤退してしまった。同じことを経験した田舎者は、きっと他にもいることだろう。
僕のような人間にしてみれば、都会暮らしはあまり素敵なものではない。むしろ程々に栄えているような、地方都市辺りがちょうどいい。
「仙台は楽天とパチンコ以外に娯楽がない」「普通になんもないし雨がうるさいぞ」という反論も
先日「2ちゃんねる」に「地方都市暮らしが一番幸福度高そう」というスレッドが登場した。スレッドを立てた人物は、地方都市の例として金沢、広島、熊本あたりを挙げていた。
そのほか、スレッドへの書き込みを見てみると、博多、仙台、名古屋に松山など、地方都市のメジャーどころが目に付く。都会過ぎず、しかしインフラはしっかり発展しているような地方都市。こういうのが暮らしやすい都市としてイメージされているようだ。
実際その通りだと思う。適度に発展こそしているものの、ちょっと歩けば山も林もあるぐらいのバランスの地方都市って、暮らしていて落ち着くものだし。山しかないとか、海しかないような田舎では、真夜中は本当に真っ暗で、暗闇の中聞こえる木々のざわめきやら海鳴りやらに怖さを感じることも多かった。そういうことがない地方都市というのは、まさにオアシスだ。
でも人によって感じ方はそれぞれ異なるもの。スレッドには「地方都市、そんなに良いか?」とする意見もあった。
「金沢普通になんもないし雨がしこたまうざいぞ」「仙台は楽天とパチンコ以外に娯楽がない」
まあこんな感じに、それなりのデメリットが、恐らく実際に地方都市に住んでいると思しき人たちによって書き込まれている。地方都市は日本海側にも点在している。が、日本海側は雨も多く、冬場は雪も多い。人によってはそれだけ陰鬱な気分にさせられるだろう。
それに地方都市は、駅前も郊外も、とにかくパチンコ屋が多い。若者向けのレジャーなんてラウンドワンか打ちっぱなしぐらいしかない場合もあるので、これも人によりけりだけど、ウンザリするものかもしれない。
それでもやっぱり地方都市は魅力的
ただやっぱり、僕が地方都市に住んでみての感想は、とにかくラクという一点に尽きる。暮らしていて余計な負担がそう多くないというのは嬉しい。
そういえば最近では、都会に住んでいた60代夫婦とかが、地方都市を飛び越え、いきなり田舎に移住して第二の人生を歩むのが結構あるようだ。なんでも、畑を耕したり、陶芸をするのに憧れるようで。
しかし田舎って、よそ者には冷たい部分もあるもので、なかなか上手く行かないケースも多いという。
僕なんかは常々、都会育ちはリタイアしたら、東京よりは喧騒の少ない地方都市に移住する程度で良いのに……と思ってしまう。地方都市もよく探せば、毎月数千円で田畑を貸してくれる休耕田とかもある。陶芸したいなら、陶芸教室にでも通えばいい。
リタイア組にとっても、僕のような都会のうるさい雰囲気が苦手な人間にしてみても、どう考えても地方都市は魅力的ではないか。細かな問題点もあるにはあるけど、それを言いだすと、もうキリがない。
さあ諸君。「東京は人が多くて嫌だ」とか言うぐらいなら、みんなで地方都市に住もう。そして休日はマイカーでイオンに行こう!