看護師の約8割が「訪問看護をしたいと思わない」―「医師に頼れない」「知らない人の家に行くのは……」など戸惑いの声
訪問看護への興味を聞くと、「興味がある」「やや興味がある」と回答した人の合計は32.7%。一方、「興味がない」「あまり興味がない」と回答した人は合計67.3%となった。
現在の勤務先別に見ると、「興味がある」の割合が最も多かったのは「介護施設勤務」(合計35.1%)で、僅差で「病院勤務」(33.3%)となった。しかし「クリニック勤務」は17.3%に留まっている。
また年代別に見ると「興味がある」の合計が、20代(28.7%)、30代(34.9%)、40代(37.0%)と増加傾向にある。同社は「看護師としてスキルや経験をある程度身につけた30代、40代の中年層に訪問看護への興味を示す割合が高い傾向」とコメントしている。
懸念は「記録などが大変で残業が増えそう」「患者家族との関係性」
しかし、実際に訪問看護師として働いてみたいかを聞くと、「そう思う」「ややそう思う」の合計は23.5%に留まった。一方、「そう思わない」「あまりそう思わない」は合計76.5%と、8割近い看護師が拒否感を抱いているようだ。具体的に理由を聞くと、
「医師や介護士など周りに頼れる人がいないので、自分で判断して行わなければいけない。失敗したらどうしようと思う」
「急変時の対応」「病院とは違うシステムで未経験だから」
などといったスキルや経験の不足を挙げる人も多い。また、
「記録や計画書などが大変で残業が多くなりそう」
「何件回るのか?ノルマありか?件数でお金がきまるのか」
といった業務内容や待遇面に疑問を感じている人も少なくはない。そもそも「知らない家に行くこと」「患者様ご家族との関係」など関係性に戸惑いを感じる人もいる。看護師自身の訪問看護に対するハードルは中々高そうだ。