裁量労働制、経団連会長の変わらぬ推進姿勢にネット呆れ声 「経団連が要望しているということは労働者にとってメリットなし」
榊原会長は、今回の改正案について「働き方多様化への対応、長時間労働の是正、働く人の能力がより発揮できるような環境作りと、時代に即した改正」だと改めて強調した。データのミスについては「是正して明確にするのは当然必要」としながらも、
「ミスばかり議論して、法案の趣旨が横に置かれ、審議全体が遅れることはあってはならない」
と苦言を呈した。法案については「多様な働き方を実現するのは社会と経済界の要請」「そういった働き方を希望する人にも非常にプラスになる」とメリットを強調していた。
榊原会長は2月22日の東海地域経済懇談会後の記者会見でも同様の見解を示していて、
「裁量労働制の対象拡大等に係る施行日をずらすといった報道があるが、政府として施行日延期を決定したわけではないと理解しており、当初の計画通り施行されることを期待している」
と、予定通りの法案成立・施行を強く求めている。
「経団連が期待ってことは労働者が泣くってことか」
こうした経団連の姿勢についてネットでは「データなんて関係ない、結論ありきの話かよ」などと反発の声が強い。「裁量労働制は『月額使い放題』ってことだよね」「残業代は確実に出ないが定時で帰れる保証なし」という声や
「経団連が期待ってことは労働者が泣くってことか」
「こいつらが賛成してるってことは間違いなく労働者側にメリットない」
と、得をするのは経営者側だけだという指摘もあった。
働き方改革関連法案を巡っては、厚労省の提出した調査データに誤りがあり、安倍晋三首相が謝罪している。2月26日には更に233件のデータミスが発覚したが、加藤厚労大臣は「再調査の予定はない」との立場を崩していない。