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「生産性を上げるには1日11時間54 分以上働け」!? AIが出した結論にマツコ「ネットで叩かれるわよ」

3月3日放送のNHKスペシャル「AIに聞いてみた。どうすんのよ?ニッポン」で、「働き方」をテーマに議論していた。長時間労働や生産性の低さが問題になる中、NHKが特別に開発し、マツコ・デラックスさんが「ひろし」と命名したAIに、解決策を聞いてみるという番組だ。

マツコさんは有働由美子アナウンサーと共にMCとして出演し、AIが導き出した

「仕事の効率を上げたいなら 11時間54分以上 働け!?」

に、「ネットで叩かれるよ」「大問題ですよ。炎上しますよ」とコメント。AIは忖度しない答えをはじき出していた。(文:okei)

「因果関係は示されていない。この話、誤解が一人歩きしそうで恐ろしい」

画像はNHKのサイトのキャプチャ

画像はNHKのサイトのキャプチャ

この提言は、「没頭度」が仕事の成果に繋がるという考えのもと、ある家庭用ロボットの開発会社で、社員50人、2か月分のデータを収集し解析した結果だ。

1か月80時間以上の残業で過労死ラインを超えるとされているのに、「1日約12時間以上働け」はあまりにも非常識。マツコさんは「しっかりしたビックデータをもとにしたもの」としつつ、「大炎上しますよ」と警告していた。

例となったシステムエンジニアのAさんは、朝は没頭度が低く、午後になると徐々に高くなり、夕食後の夜9時にピークに達していた。長時間労働はダメだけれど、皆一律に早く返せばいいというものではないという話にもなる。マツコさんは、

「夜元気になる人っていると思うのよ。私は夜型で、夜型の人間にしてみれば朝から働くなんて悪夢」
「夜型の人間の労働時間を短くしたいと思ったら、夕方から出勤して夜中の2時くらいまで」

など、人によって働く時間は「四角四面には決められない」と話した。

しかしこの話は、正確には「ある条件のもとで、没頭度が高くなった社員は11時間54分以上働いていた」ということだ。ツイッターではこんな指摘が上がっていた。

「『11時間54分以上働くと生産性が上がる』ではないんだよ。示されたのは、『没頭度の高い人が、11時間54分以上働いていた』というだけ。因果関係は示されていない。この話、誤解が一人歩きしそうで恐ろしい」

しかも、Aさんが12時間以上働いたのは週2日だけで、1日は約10時間、あと2日は6時間ほどしか働いていない。メリハリのある働き方ができており、会社も認めている。こうした柔軟な働き方ができる環境でなら、一律に定時を区切る必要はないだろう。

「世の中で行なわれている5分の4はいらない会議ですから」

さらに、同社で11時間54分以上働いた社員は、その日にこんな条件も重なっている。

「午前中の会話時間で、聞き役だったのは12分以内」
「午後2時から7時の間の会議時間が、16分以内」

短い会話と短い会議、そのタイミングが鍵となっている。さらに、没頭度が高かった日はメール送信がゼロで、低かった日は100文字以上送信していたことも判明。11時間54分以上働いた日は、仕事が妨げられにくい状況だった。この条件を満たした社員は延べ80人いたという。

マツコさんは有働由美子アナに「長いよね~あんたのメール」と振ると、有働アナは「すいません…」と恐縮。さらに会議に関しては

「世の中で行なわれてる会議の5分の4はいらない会議ですから。そこからまず企業は考えましょう」
「だいたい会議なんて上司が偉そうにするために開いてるんだから」

などと指摘した。長時間労働しなくても、生産性を上げる方法はあるのだ。

NHK解説員の大越健介氏は、働き方改革法案の議論に触れ、「国会には、実のある落としどころを見つけて欲しいと思っています」と言うと、マツコさんは「アタシは落としどころなんて絶対ないと思っているのね」とやんわりこれを否定し

「一生この議論ってやっていくもんだと思うのよ」

と語った。それだけ難しい問題なのだ。

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