年度末のプレミアムフライデー「帰れるわけがない」 人事や経理など、バックオフィスの嘆き目立つ
都内で人事として働く20代女性は「うちの会社には制度が導入されていないので、今日も帰れませんね。定時には帰りたいですけれど」と遠い目をする。世間ではプレミアムフライデー導入から1年以上が経ち、記念イベントなども行われていたが、そうした賑わいとは無縁に1年が過ぎたようだ。
「月末はただでさえ、給与計算に関わる勤怠管理や請求書の回収で忙しいんです。弊社では給与計算を外部の社労士に委託していることもあって、月が変わって2営業日以内に勤怠データを送る必要があります。3営業日以内には請求書の処理を終わらせ、次の経理や財務に引き継がなければいけません。私が遅れると、後ろの工程が全部遅れていくので、締切は破れないんです」
もし導入されたら何をしたいか聞くと「早く飲みに行きたい」「岩盤浴に行きたい」「美容院に行きたい。土日は混むから」など、次々に挙がった。今の忙しさのまま15時退勤が導入されても帰れないのではとも思ったが、
「次の土曜日に出社して仕事を進めるか、他の日が忙しくなるけれど、早く帰れるようにスケジュールを組むこと自体はできそうです」
と答えていた。プレミアムフライデーのために休日出勤するのは本末転倒のような気もするが、「土曜日のほうが、人もいないし電話もかかってこないので集中して仕事ができる」のだそうだ。
プレミアムフライデーは、導入企業とそうでない企業での温度差・意識差が大きいようだ。実際、経理担当の男性からは「えっ今日プレミアムフライデーだったの!?」という声も。単語としての認知度は高くなっていても、文化として根付くまでは相当困難な道のりになりそうだ。
来月4月のプレミアムフライデーは、3連休前、ゴールデンウィーク直前に実施される予定だ。