過労死ライン超える残業、時給は1000円未満――教員たちの口コミ「事務作業が多く、職員室で授業準備する先生はあまりいない」
文部科学省「教員勤務実態調査」(2016年実施)によると、小学校教員の33.5%、中学校教員の57.7%が週60時間以上勤務し、過労死ラインである月80時間以上の時間外労働をしていることが明らかになっている。自宅での持ち帰り仕事は含まれていないため、実態はもっと深刻だと考えられる。
口コミでも「平日は21時以降まで残ることが多い。休日も、部活によっては土日終日つぶれることも覚悟しておいた方が良い」(教師・インストラクター 20代前半女性 正社員 350万円)といった声は非常に多く、報道されている通りの実態のようだ。
「残業代は4%の調整額に入っており、みなし残業という形。部活は8時間で4200円。1時間の単価は500円そこそこ。昼食代も含まれている。いくら奉仕と言っても、労働基準からするとありえない。時間外労働でかつ休日返上、生徒指導や、やったことないスポーツを教えることは大変苦痛」(教師・インストラクター 30代前半男性 正社員 680万円)
「17時以降も部活があるため、すぐには帰宅できません。(中略)ちなみに、平日の部活動手当は何時間やっても300円です。休日は、単なる練習や練習試合あと1日2400円、公式戦だと3400円支給されます。自分の指導したい部活や、指導できる部活がないと精神的にかなりつらいです」(教師・インストラクター 20代後半男性 正社員 420万円)
「勤務時間は、8時15分から16時45分までです。8時15分から職員の打ち合わせなので、大体30分前には職員室に皆集まってました。15時30分に6時間目の授業が終わり、それから18時半位まで部活動があります。部活動が終わればそのまますぐに帰る先生もいれば、明日の授業準備や学年の仕事などで遅くまで残る先生も」(教師・インストラクター 20代前半男性 公務員 200万円)
本来ならば授業準備などに一番情熱を傾けたいところだろうが、学校にいる間は、行事の準備、頻繁に行われる会議、教科書会社関係者や大学関係者など来校者への対応や生活指導まで、休む暇なく業務に忙殺されてしまう。仕方なく家に持ち帰っているという声も散見された。
「職員室では授業準備やってる先生はあんまりいませんでした。事務作業が多いです。教育委員会に毎回提出しなければいけない書類もあります。」(教師・インストラクター 20代前半男性 公務員 200万円)
子育ては親頼み「勤務時間が半端ないので、両親と同居、又は育児を手伝ってもらってる人ばかり」
女性の働きやすさについては好意的なものがほとんどだが、そんな労働環境も相まってか、「仕事は本当に多岐に渡るため、なんでもやります、という方が向いています。女性の管理職の方たちはもちろん勤務時間は半端ないので、子どもを持っている方たちは、どちらかの両親と同居している、又は、育児を手伝ってもらっている人ばかりです」(教師 20代後半 女性 正社員 400万円)という声もあった。
「本来の教科を教えること以外の仕事が年々増えています。また部活動を含めて、つらい仕事は若手に集中する傾向」(教師・インストラクター 30代前半女性 その他 240万円)といった声も目立つ。
「今は学校選択制なので、ある意味ではサービス業的な側面もあり、できる限り生徒や保護者のニーズに応じることも必要」(教師・インストラクター 20代後半男性 350万円)
「私が勤め始めた1980年頃は、教員集団の創意工夫が生かされ、生徒が成長できるために、どういう教育課程が必要かなどよく議論したものでした。今は、教育委員会や教育委員会に逆らえない校長のトップダウンの決定に従うことが多いです」(教師・インストラクター 50代後半女性 正社員 845万円)
「賞与が満額支給される二年目には年収は420万になるため、若いうちは給料が高いように感じるはずです。しかし一方で、残業代が含まれているため、一概に多いとは言えません。実際、初任の教師は教材研究や研修レポートなどに追われ、どんなに有能でも残業100時間は下りません。ベテランの先生でも、やはり50時間以上は残業していると思います。それほど大幅な収入アップは望めません」(教師・インストラクター 20代後半男性 公務員 350万円)
教員の病気離職率はどの年齢層でも増加しているが、特に小中学校で顕著で、若年層に負担が偏っているとも言われている。
「自分の教えたことによって子どもが成長する、あるいは子どもから教えられて成長するということが面白みです。日々どのようにすれば効果があるかを考えるのはつらい面もありますが、それ以上にやりがいとなって現れます」(教師・インストラクター 20代前半 男性 契約社員 300万円)といった内容の口コミも多かった。
学校の労働環境は教員だけでなく子供にも影響を与えるだろう。やりがい頼みのブラック職場を放置して、最終的に不利益や負担を被るのは誰か、肝に銘じておきたいものだ。 (参照元 キャリコネ「教員」)