年収1000万超えも割に合わない勤務医の日常「ほぼ24時間拘束」「休みは一年間で2週間もない」
厚生労働省によると、医師の時間外労働の理由のトップは緊急対応だという。口コミでも「24時間365日拘束状態であり、自分の時間が全くもてず、とうとう体調に変調をきたすようになりやむなく退職した」(医師・歯科医師・獣医 30代後半男性 1150万円)といった声はやはり多かった。
「労働時間の長さ。休みのなさ。休みは一年間で2週間もない。権利意識の高い患者が増えている。夜中にきて、医者を出せと怒鳴る患者。医療費が高いと文句をいう患者。病状説明を行うように医師に要求する患者。外科系であるので、肉体的、精神的ストレスがともにある」(医師・歯科医師・獣医 20代後半男性 732万円)
「外来患者数が多く、入院も多いため夜遅くなってしまうことが多く、睡眠時間の確保が大変です。医師数がさほど多くないため週末2日休めるということは少ないです。また、急変などの場合には休み・深夜問わず駆けつける必要がある」(医師・歯科医師・獣医 30代前半男性 600万円)
「残業は100時間にもおよびますが、給料には全ては反映されず、常に呼び出されても病院にかけつけられるように旅行にもいけません。当直後には普通に勤務があるので何十時間も寝ないこともあります。実質働いている時間や責任の重さを考えるとやはり不満はあります」(医師・歯科医師・獣医 20代後半男性 1560万円)
年収1000万超えの投稿者も多いが、「現在の報酬は安いとは言えないが決して高くはない。ほとんど24時間拘束状態。給与は年功序列なので若手が激務の割に恵まれていない」(医師・歯科医師・獣医 30代後半男性 1150万円)など、労働環境や責任の重さを鑑みると、むやみに高給とも言い切れない。
また、一括りに医師といっても勤務形態や科、病院などによって処遇には大きな差がある。「研修医の給与は安いです。月4回の当直の手当てを合わせても手取りで27万位です。当直の場合は徹夜で救急外来を診ても翌日普通に仕事で診察です。遅いとその日の夜十時まで帰れません」(医師・歯科医師・獣医 20代後半男性 330万円)と、見習い時代は特に大変そうだ。
「常勤と非常勤では圧倒的に時間対給料で不公平感がある。常勤医は受け持ち患者を持ち、それに対して24時間責任を持つ体制であるため、夜中においても呼び出されることはしばしばである。にもかかわらず基本給は60万程度と抑えられている。一方非常勤医は外来の定時診療で一日だけでも7-8万程度の給料が出ており、単純換算10日程度出勤すれば常勤医と同等で、時間外勤務もほとんどない状況になる」(医師・歯科医師・獣医 30代前半男性 1160万円)
「報酬については、基本給は40万程度であり、時間外勤務が部門にもよりますが、自分の部署では月80時間程度で、トータル年収900万程でした。派遣社員にはボーナスはありませんが、都内の他の病院と比べると、恵まれている方だと思います。ただ、時間外手当が青天井でないことなど、個人的にはもう少し報酬は上がってよいかとも思いますが…」(医師・歯科医師・獣医 30代前半男性 900万円)
「やりがいがないと続けられない仕事」「24時間オンコールの科だと育児との両立はきつい」
医師の働き方改革では、女性医師が出産や子育てをしやすい環境の整備も求められている。高給バイトに事欠かず常にポジションは確保されているという指摘や、保育所の整備やワークシェアによって外来勤務なら両立例もあるという話もある一方、育児などとの両立は厳しい内容が目立った。
「基本的に育児休暇が1年取れますが、医師の場合はまず取っている人はいませんでした。だいたい産休明けに働き始める女医さんが多かったです」(医師・歯科医師・獣医 30代後半女性 1100万円)
「レジデントいう立場だと産休も、育休もとれませんでした。労働環境としては決していいものではありません。中には24時間オンコールの科もあるので、そういう所だと育児しながらはきついと思います」(医師・歯科医師・獣医 20代後半女性 600万円)
ただ、「ひとりとして同じ患者様はいなくて、その人にあった方法で命を救うことで大きなやりがいを感じます。同時に感謝されることで精神的にも充実すると思います。逆にこのやりがいがないとこの職業は続けられないのではないかと思います」(医師・歯科医師・獣医 20代後半男性 1560万円)というように、多くの医師がやりがいを持っているのも事実だ。
「仕事の面白みは、高度な医療技術を常に身につけ、さらなる改善を模索できるということ。人を救うための技術に日々磨きをかけていくことには特に面白みを感じる」(医師・歯科医師・獣医 30代前半男性 1160万円)
医療サービスの低下を覚悟で診療体制を見直しても、患者や家族の事情が壁になる例もある。たとえ病院が医師を増やし対応しても、病院経営が医療保険制度の上に成り立つ以上、コスト増は保険料を払う国民に跳ね返る。安心できる医療体制と医師の働き方改革は両立できるのか、今後の動向にも注視したい。