ホストのいない民泊、反対約6割 「トラブルを起こした民泊施設は営業禁止」求める声も
外国人観光客の増加に伴い、一般の住宅に旅行客が宿泊できる「民泊」の需要が高まりつつある。しかし、実際に民泊を運営する場合、近隣住民に理解を求めるのは難しいかもしれない。
インテージリサーチは5月14日、民泊に関する意識調査の結果を発表した。民泊の利用経験を聞いたところ、「利用したことがある」のはわずか5.1%で、利用したことがない人がほとんどだった。今後民泊を利用したいという人も13.1%に留まっている。
高齢者や分譲マンションの住人は民泊に反対する割合が高い
自宅近くにホストが在宅するタイプの民泊ができたらどう思うか聞いたところ、「あまり賛成しない」と「賛成しない」(以下、「反対」)は計43.1%で、「賛成する」と「まあ賛成する」(以下、「賛成」)の計17.3%を大きく上回った。年代が上がるほど反対の割合が高くなる傾向にあり、60代男性では50.8%、60代女性では46.7%となっている。
近所に、ホストのいない民泊ができることについては、反対が55.7%と、ホストが在宅するタイプより高く、賛成はわずか9.2%だった。こちらも年代が上がるにつれ反対の人が多くなり、60代男性は63.6%、60代女性は65.9%が反対だった。
住んでいる住宅タイプごとに見ると、反対の割合が最も高いのは分譲マンションに住んでいる人だ。ホスト在宅型には57.7%が、ホスト不在型には69.5%もの人が反対している。逆に社宅や寮に住んでいる人のうち、ホスト不在型に反対する人は44.6%にとどまった。
民泊の利用経験がある人は、利用経験がない人よりも民泊に寛容であることもわかった。利用経験がある人でホスト在宅型に反対する人は18%、不在型でも35%に留まっている。利用経験なしでは、ホスト在宅に44.5%が、ホスト不在に56.8%が反対している。
どのようなルールがあれば、近所の民泊に賛成できるか聞いたところ、「トラブルを起こした民泊施設の営業禁止」が51.9%に上った。次いで「家主(管理人)が対面により宿泊者の本人確認を実施」が37%、「周辺住民への民泊営業の周知」が32.9%だった。
ファミリーマートは5月14日、民泊仲介の世界最大手・米エアビーアンドビーと提携し、ファミマ店舗で民泊の鍵の受け渡しができるようにすると発表した。民泊は今後ますます普及していくと思われるが、犯罪利用の防止や近隣住民への配慮など、解決すべき課題も山積みだ。