野菜が苦手な子どもは「集中力が低い」? 小学校教員を対象にした「給食残し」調査
教員歴が10年以上の人からは、近年給食残しや偏食が加速していると言う声も多く出ているといい、「10年前と比べて、給食の残食率が増えていると思う」と応えた人は66%。また「10年前と比べて、偏食の児童は増えていると思う」も79%に上る。
給食で食べ残しが多い献立・食材を具体的に聞くと、最多は「野菜のメニュー」(85%)。以降、大きく差があって「魚のメニュー」(46%)、「海藻のメニュー」(36%)、「牛乳」(19%)、「ごはん・パン・麺」(17%)と続く。
野菜が食べられない・苦手な児童の特性を聞くと、最も多いのは「集中力が低い」(62%)という声だった。次いで「忘れ物が多い」「勉強が不得意」(52%)と続き、調査元は「偏食は生活態度や学習能力と関連している可能性も示唆されました」とコメントしている。
野菜が苦手な児童への対応については、「給食に関する指導は現場に任されている」(81%)が最多。また「頑張って残さず食べさせるように指導している」(68%)という教員もいる。度々問題になる「給食ハラスメント」もこの環境下で起きているのだろう。
その一方で「近年は家庭での食育が不足していると思う」(92%)、「小学校入学のタイミングで野菜が嫌いな子どもは、その後の克服が難しいと思う」(74%)などの声も多く上がっている。
「ピーマンがダメだったから他の緑の野菜も全部ダメ」という子どもも
では、家庭では子どもの野菜嫌いとどう向き合っているのだろう。3~5歳の子どもがいる20~40代女性300人に聞くと、「現在、子どもに嫌いな野菜がある」と回答した人は100%。小学校に上る前までには野菜を克服してほしいという人が92%だ。
どのように野菜嫌いの克服に取り組んでいるかを聞くと、
「細かく刻んだり、ミキサーにかけたりする」(30歳)
「可愛い型でくり抜いて楽しく食べられるようにする」(29歳)
「苦手なものを食べたらご褒美のおやつをあげる」(41歳)
など野菜への抵抗感を無くしたり、食べるモチベーションをアップさせたりさまざまな工夫がなされている。しかし「小学校に上る前に野菜嫌いを克服できそうだと思う」と回答した人は48%に留まっている。「何をすればいいのかわからない」も83%いた。
栄養士で料理研究家の浜田陽子さんは、現代の子どもは「食べてもいないものを嫌がる」ケースが多いと指摘。中には、ピーマンがダメだったから他の緑の野菜も全部ダメ、という子どももいるという。チャレンジすらしない子どもが多いため、ちょっとした声がけが克服につながるという。