定年後の再雇用「給与や待遇変えない」企業はわずか13% 高齢者を雇うメリット1位は「経験や知識の活用」
高年齢者雇用の目的を聞いたところ、「経験や知識の活用」を挙げる企業が79%で最も多かった。顧客との関係性、年齢を重ねた分の気配りや人当たり、丁寧さに期待するという声や、「知識や人脈を持ち、企業イメージアップにつながる」という声も出ている。
一方、高齢者の雇用で最も多く挙がった課題が「世代交代の停滞」(44%)だ。ベテランである高年齢者を採用することで、「本来権限を持つはずの若い世代が遠慮・萎縮する」という懸念があるためだ。
今後の高年齢者雇用は、「法定義務の範囲で対応していく」方針の企業が46%で最も多い。「状況を見て対応を検討する」企業は35%で、「法定義務の範囲を超え自主的に対応する」と、高齢者雇用に積極的な姿勢を見せた企業は13%と少なかった。
法定義務以上の対応をするという回答は、
「設備設計業界は慢性的な人手不足。健康面・意欲面で問題なければ70歳までは設計者として続行可能」(設備設計)
「求人状況が厳しいため、高年齢者を活用することで当面は対応していく」(流通・小売関連)
と、人手不足に陥っている業界から出ていた。ただ、同じく人手不足になりやすいサービス業からは、
「できれば62歳、長くても63歳くらいで引退していただき、世代交代していくほうがありがたい。しかし、法律なので仕方なく行なっている面がある。62歳くらいから、体調や精神面で第三者から見て、老化による能力の低下を感じさせる方が増える傾向にある」(サービス関連)
というシビアな意見もあった。