ラノベ「二度目の人生を異世界で」作者がヘイト発言認め謝罪 「小説家になろう」では一部が非表示に
ライトノベル「二度目の人生を異世界で」の作者、まいんさんが6月5日、ツイッターや作品本編で、中国や韓国に対するヘイトスピーチを繰り返していたことを認め、謝罪した。
同作品は今年5月下旬にアニメ化が発表されると、原作者が過去にSNSで差別的な発言をしていたと指摘する声が上がり、物議を醸していた。今年10月には放映が始まる予定だったが、6月6日には主要キャストを勤める声優らが次々降板する事態も起きている。
主人公の設定が「日中戦争で約4000人を斬殺した」と読めると物議を醸していた
物語は、94歳で大往生を遂げた主人公が、創造主によって異世界に飛ばされ、二度目の人生を送るというもの。作中、主人公が生前に行っていたこととして
「15歳より、武者修行と称し中国大陸へ渡り黒社会で活動。刀一本で大人数へ切り込み、生還する様から『剣鬼』の異名で呼ばれる。黒社会活動中の殺害人数は5年間で912人に及ぶ。その後、世界大戦に従軍。4年間の従軍期間中の殺害数は3712人、全て斬殺」
と書かれ、この「世界大戦」が日中戦争を指すのではないかと指摘されていた。
連載が始まった2014年を起点にすると、1920年頃生まれた主人公が世界大戦に参加していた期間は、1937年から1945年にかけての日中戦争の期間と重なる。
また、まいんさんは過去にツイッターで、中国を「虫国」、韓国を「姦国」と表記し、住む人々を「猿」と呼んでいた。
作者は6月5日、ツイッターで「私の過去のいくつかのツイートにつきまして、多くの方に非常に不快な思いをさせてしまう、不適切な表現がありましたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪。
「事実関係を正確に把握せず、深い考えもなく行った発言ではありますが、行きすぎた内容であったことを深く反省しており、不快に思われた皆さまのお許しを頂けるとは思っておりませんが、心より謝罪させて頂きたいと思います」
と述べた。
中島愛らアニメ主要キャストが次々に降板発表
小説中の表現についても
「『小説家になろう』上の該当する箇所の公開を停止し、二度と皆様に不快な思いをさせることの無いよう改めて内容を精査いたします。また、書籍版に関しても、該当書籍の修正を行えないか、出版社と相談いたします」
と説明している。一連の謝罪ツイートには、日本語だけでなく中国語による抗議のリプライも多かった。
作品が掲載されているサイト「小説家になろう」を確認すると、6月6日12時時点で、問題視された箇所が削除されている。
6月6日には、アニメ版で主人公役を予定していた増田俊樹さん、創造主役の山下七海さん、ローナ=シュヴァリエ役の中島愛さん、シオン=ファム=ファタール役の安野希世乃さんら4人が、事務所公式サイトで降板を発表。理由は明かされていないが、原作者のツイッターを巡る騒動の影響があったと見られる。