受動喫煙対策法が成立するも小規模店は例外扱い 「全店舗での禁煙が必要」と禁煙学会は訴え
報道によると、学校や病院では2019年夏に、それ以外の場所では東京五輪・パラリンピック開催前の2020年4月に施行される。罰則も設けられており、禁煙エリアに灰皿を設置した施設管理者には50万円以下、禁煙エリアで喫煙した人には30万円以下の罰金が課される可能性がある。
喫煙規制に向けて一歩前進した形だが、日本禁煙学会の宮崎恭一理事は、「規制は不十分で、全店舗で禁煙にすべきだ」とさらなる規制強化を訴えた。
「今回、未成年が喫煙可能な場所に立ち入れなくなったことは評価できます。しかし全ての従業員を受動喫煙の被害から守るためにも、室内は全面禁煙にするべきです。もし喫煙できる場所を設けるとしたら、たばこの煙が風で吹き飛ばされる屋外の方がいいでしょう。車の排気ガスと同じで、屋外ならまだしも、屋内では健康への影響が大きくなります」
また喫煙可の場所に未成年が立ち入れなくなると、禁煙を選ぶ店舗が増えるのではないかと期待する。
「高校生や大学1~2年生のアルバイトを雇っても、特定の部屋に入れないとなると非常に不便です。そのため一部の喫煙者のために喫煙可能な場所を設けるよりも、全面禁煙を選ぶ店舗が出てくるかもしれません」
「スペインでは数年で例外を撤廃。日本も同じ道を辿るのでは」
スペインでは2006年に禁煙法が施行され、職場や公共施設での喫煙が禁じられた。ただし面積が100平方メートル以上の飲食店では、喫煙室を設置すれが喫煙することができ、100平方メートル以下の場合は、経営者が喫煙か禁煙化を選ぶことができた。
しかし2011年にはこの例外が撤廃され全面禁煙になった。宮崎さんは日本も同じような道を辿るにではないかと考えている。
「スペインでは、この規制がなかなか守られませんでした。喫煙できる店舗で『喫煙可』の看板が出ておらず、吸わない人が入店してトラブルになるということもありました。結局、5年後には例外がなくなり、全面禁煙になったのです。日本でも近いうちに全面禁煙になるでしょう」