高まる「大人向け粉ミルク」の人気 メインユーザーは中高年、携帯できるスティックタイプも登場
「大人向け粉ミルク」という新たなジャンルが盛り上がりを見せている。雪印ビーンスタークは10月下旬、缶に入った大人向け粉ミルク「プラチナミルクforバランス」のスティックタイプを発売する。
同社の担当者によると、昨年9月の缶タイプ発売以降、「持ち運びしやすい商品がほしい」「缶タイプを購入する前に試してみたい」という声が寄せられていたという。そのため携帯に便利な少量のスティックタイプの発売を決定した。
消費者から「育児用ミルクを毎日飲んでいる」という声
同社が大人向けの粉ミルクを発売したのは、「栄養バランスが良い粉ミルクを大人も飲んでいいのか」という問い合わせが多数寄せられたからだという。
「現在、特に中高年以上のお客様からご愛用いただいております。お湯やお水に溶かして飲むだけでなく、コーヒーやヨーグルト、シチューに入れることで手軽に栄養バランスを取ることができます」(雪印ビーンスターク広報担当者)
プラチナミルク20グラムには、牛乳100ミリリットルのおよそ1.5倍にあたるたんぱく質5グラムが含まれている。他にも牛乳を大きく上回るビタミンやDHA、鉄が含まれる。
缶タイプは300グラムで2592円(税込、希望小売価格)だが、10月下旬に発売されるスティックタイプは10グラム入りが10本で980円(税込、希望小売価格)。摂取目安量は1日2本だという。
森永乳業も2016年に「大人のための粉ミルク ミルク生活」を発売している。消費者から「育児用ミルクを毎日飲んでいる」「大人向けにいろいろな栄養が入っている粉ミルクがあればぜひ購入したい」という要望があったからだ。
「水に溶かしたミルク生活をシリアルにかけて食べている」
同商品は、大人に必要な栄養素をバランス良く摂取できるよう、ラクトフェリンやビフィズス菌、カルシウム、鉄分を多く配合した。
「大人は乳児と異なり、通常の食事で摂取している分があり、粉ミルクはあくまで健康をサポートするものと当社ではとらえています。そのため、普段の食生活では不足しがちだったり、摂取が難しい機能性素材を中心に考えつつ、栄養バランスを取っています。牛乳が苦手な方でも飲みやすい、さっぱりとした味わいで、ほのかな甘みで仕上げております」(森永乳業広報担当社)
利用者の8割以上が女性、9割以上が50代以上で、特に60~70代が多いという。また30代女性からも「水に溶かしたミルク生活をシリアルにかけて食べている」といった声が寄せられている。
1缶300グラムで1950円(税別、希望小売価格)。さらに高たんぱく、高カルシウムな「ミルク生活 プラス」も1缶300グラム2250円(税別、希望小売価格)で今年4月に発売された。
粉ミルクといえば一般に乳幼児が飲むもの。そのためネットでは「大人向けの粉ミルク」という響きに「哺乳瓶で飲むのかな」と戸惑いを覚える声も上がっている。しかし「災害時やもしもの時に役に立つんじゃないですか」「コーヒーに入れたら栄養価高まる?」と歓迎する声も相次いでいる。