「有名人の不倫叩きは快感だから無くならない」脳科学者が解説「みんな自分よりちょっとでも悪いことしてる人をみつけたい」
中野氏は他人を批判する行為の原動力は”嫉妬心”であるという。妬みが一番強まるのは「距離が一番近い時、自分がなんとかすればそこに行けるんじゃないか」と思う時のため、人間は自分に近しい人の成功に嫉妬心を抱きやすいらしい。そのため、その人が不祥事を起こした際は、なんとか相手の足を引っ張ろうと烈火の如く批判を浴びせるのだという。
これを聞いた司会の千原ジュニアさんは
「そういうことか。一般の方とテレビに出てる人間が大差ないから、引きずり降ろされるわけか」
と納得。SNSが普及し一般人と有名人との距離が近くなったことで、一般人が有名人に嫉妬心を持ちやすくなり、有名人叩きの加熱化を招いていると分析した。
悪口を言っている時に罪悪感があれば「ストレスホルモンが増え、脳が萎縮する」
さらに、中野氏は「脳科学的に悪口は自分に返ってくる」とも指摘する。
「脳は善悪を判断する領域がある。この領域が『良いことをする』って思うと気持ちよくなる物質が出るんです。逆にこの部分が悪いことと判断すると、ストレスホルモンが増える。ストレスホルモンが増えると、脳が萎縮するんです」
悪口を言って快感を覚えつつも、心のどこかで罪悪感を抱えながら有名人叩きをしていると、結果的にはストレスが溜まり、悪影響が「自分に返ってくる」という訳だ。
ただ、古舘伊知郎さんはこれに疑問を投げかける。
「良いことをやってる時って報酬系が出るわけでしょ?でも、それが高じてくると、『私の中に悪のかけらもない』って自信が生まれて、正義原理主義者になって、人のこと攻撃したりしませんか?」
周囲から見れば悪いことでも、本人がそれを”正しい”と信じていれば、脳はポジティブな物質を出すのかという問いに、中野氏は「それが不倫批判が無くならない理由なんです」と答えた。
「『自分が正義である』と思いたいために、ちょっとでも悪いことをしてる人を見つけたい。例えば、災害の時に楽しそうな画像をアップするだけで批判が集まったりしますよね?自分が”正義の権化”になりたいので、そういう人を見つけて気持ちよくなりたい」
どれだけ醜い行為でも、本人が正しいことだと感じていれば、快感になってしまうようだ。
ネット上で正義感を振りかざす人”ソーシャル・ジャスティス・ウォリアー”がここ最近問題視されているが、中には正義のためではなく、自身の快楽のためにネット上を闊歩している人もいるのかもしれない。