ツイッター「人を人間以下に扱う投稿禁止」ポリシー改定案でネットざわつく 本当の目的はどこにある?
ツイッター社ではこれまでも、人種や民族、宗教、性的指向などによる差別的な発言を禁止している。今回のポリシー変更案で目指すのは、ルール違反とは言えないが多くのユーザーが嫌がらせだと感じるツイートへの対処だ。
「直接的なターゲットを含まない場合でも、特定の集団のメンバーの誰かの人間性の否定をする項目を、暴言や脅迫、差別的言動に対するツイッターのポリシーに含め拡大」したいとしている。
つまり、特定の誰かに向けて書かれた差別的な投稿でなくても、今後は内容によっては、禁止行為とみなす、というのが変更の趣旨だ。人間性の否定を「他人を人間以下に扱う言葉」と定義してはいるものの、以下や未満といった言葉の厳密さは、それほど重視されていない。
ただ、ツイッターでは表現が気になる人が多いようで、「人間以下ってことは人間も含んでるってことで超人扱いしかだめってこと…」などの投稿が多々見られる。
「『人間以下』ってなんだろ…?動物に例える?みたいなのもダメらしいけれど、 動物って『人間以下』の存在なのかな?人間ってそんなに偉いのかなー」
といった疑問も出ていた。
「ツイッターのせいでデモが起きた」と言われるのを防ぐため?
ツイッター社は発表の中で、オンラインでの差別的な言論がオフラインでの害に繋がる可能性を指摘していた。ネット上のヘイトスピーチが現実で差別的な言動を引き起こすのではないかと危惧していると読めるが、ITジャーナリストの井上トシユキさんは、本当の狙いは別にあるのではないかと見る。
「ツイッターの言論が現実世界に悪影響を及ぼすというのは、何かしらはあるでしょう。ですがそれよりも、大規模なデモに発展した時に『ツイッターのせいでデモが起きた』と言われないための変更案ではないかと思います。株価などへの影響を避けるためでしょう」
欧米では、「移民が仕事を奪っている」といった排外的なヘイトスピーチが問題になっている。ツイッター社のジャックCEOはこうした差別に対し、折に触れて反対姿勢を取ってきた。
「好き勝手言わせて、『やっぱりヘイトってよくないね』と思わせるか、プラットフォーム側で先にある程度コントロールしていくか。色んな運営の方法がありますが、ツイッター社は後者を選択したということです」
と井上さんは語っていた。ツイッターでは今回のポリシー変更案について、10月9日までユーザーアンケートを行っている。