「ガイア」がZOZO前澤社長に密着取材 社員どうしの悪口を避けるため「給料が一律同額」に驚きの声も
スタートトゥディの創業は1998年。当時は珍しかった海外のCDやレコードの輸入販売を皮切りに、2000年から洋服のネット販売を開始。「何をやるにしても人と同じことをやるのが嫌い。なぜなら競争したくないから」という前澤社長。ネットで服を売ることが一般的でなかった2000年に、ほぼすべてのブランドから断られながらも交渉を続け、2004年の29歳のときZOZOTOWNが誕生した。
売り上げは順調に伸び、2007年には東証マザーズに上場。2017年には984億円と勢いはとどまることを知らない。今月18日には、前澤社長は世界初の「月旅行」に民間人として参加を表明し話題となった。常にメディアの注目を集める経営者の一人だ。
出社すると同時に社員が待ち構え会議の連続だが、社員は皆ラフなかっこうだ。スーツを着ている人は一人もいない。年齢層も若く、見たところ20代から30代、いっても40代が多いようだ。
冒頭でも触れたがこの会社、驚くことに基本給とボーナスは「一律同額」だという。本社のある千葉県・幕張に住むと月額5万円が支給される。すべて前澤社長の方針で決まったことだ。
「社員が社員の悪口を言うのは最悪なんですよ。だから給料の差とか成功報酬を過激にやりすぎると、『あいつはこうだよね』とか変なことが起きるので、透明性を持ってやっている」
社員同士のつながりを良好に保つことは、モチベーションアップにもつながるだろう。社員にはいつも、「楽しんでやってくれ」「みんな洋服大好きでしょ」と語りかけているそうだ。「それが結果、売上にもつながる。もっと言えば周りの人や社会や地域に対しても、そういう姿を見せるのは大事なんです」と続けた。
社員から見た前澤社長は「良くも悪くもピュア。究極のピュア」
社員は前澤社長のことをどう見ているのか。聞いてみると、こんな答えが集まった。
「このぐらいの年齢の大人が、それを本気でやろうとするんだなと。すごく純粋で少年のような方だなと思います」
「一言で言うと良くも悪くもピュア。究極のピュア」
「会社を一歩先にというよりは千歩とか一万歩先を引っ張っているようなイメージがあります」
社員がリーダーを信頼してついていく中で、楽しんで仕事をしてるような雰囲気が伝わってきた。
700万人以上が利用しているZOZOTOWN。新展開として、「ZOZOスーツ」と呼ばれる全身タイツのような採寸ウェアを開発し、オーダーメードでのプライベートブランドの製造販売が始まっている。注文を受けてから作るので、ファッション業界の課題である大量の在庫を抱えずに済むのが利点だ。さらにビジネススーツやシューズなど、新しい品目に次々と取り組んでいる。
前澤社長は、「今までの商品やサービスは企業主導で提供されてきたが、これからは70億人一人一人の意見があらゆる商品やサービスに反映されないと、物もサービスも売れない時代になっていく」と時代を読む。
「企業自体も消費者が作り出していく形になると思う」と予測し、
「会社もオーダーメード。『自分たちに合った、こんな会社が欲しいよね』と言ったら、そういう会社ができる時代になるかもしれない」
と楽しそうに話した。
番組はネット上で「面白かった」と好評で、良い面しか紹介しないと考えても前澤社長の人柄やビジネスに対する姿勢に好感が持てる内容だった。スタートトゥディは10月1日から社名を知名度の高い「ZOZO」に変更する予定だ。今後も注目株であることは間違いない。