京都府亀岡市、レジ袋の使用禁止へ 違反した場合は過料も検討「海洋ごみの削減目指す」
海に接していない同市が海ごみ対策に積極的なのは、重要な観光資源である保津川の景観を保全するためだ。保津川は同市を通って、嵯峨嵐山(京都市右京区)に至り、その後は鴨川と合流して淀川に流れ込む。亀岡から嵯峨までの16キロメートルに渡る保津川下りは舟下りとして有名で、年間約30万の観光客が訪れるという。
同市環境政策課の担当者は、
「川下りの船頭さんからプラスチックゴミが増えてきたという報告が入るようになりました。ごみが多いと景観を損ねてしまうため、市でも川の清掃をするようになったのですが、いくらやっても終わりが見えません。側溝や溝に入り込んだ生活ごみが川に流れ込むのが原因のため、プラスチックごみそのものを減らすことが大切だと考えています」
と話す。
2012年には、環境NGO「JEAN」が主催する「海ごみサミット」が内陸部の自治体としては初めて開催された。海ごみは海に接した自治体の問題だと思われがちだが、ごみが内陸部から川に流れ込んで海ごみとなるため、内陸部の自治体も無関係ではない。
条例の対象になるのは、市内のスーパーやコンビニなど約760店。条例の施行後は、違反した店舗の公表や過料の導入も検討しているという。
使用禁止に先出し、来年度中にレジ袋を有料化する方針だ。
「スーパーや個人商店と調整し、ビニール袋の有料化を目指しているところです。有料化することで使用を抑制し、消費者を啓発していきたい。エコバックの配布も検討しています」
使用禁止後も紙袋の提供は認める。商店やスーパーは協力的であることが多いが、市民からは「禁止はどうなのか」と不安の声も出ているという。