「女性年度賞」に吉永小百合さん 「皆様のお心に届く作品を作りたい」
化粧品大手のエイボン・プロダクツが毎年開催している「エイボン女性年度賞」の第35回(2014年度)授賞式が、2015年1月23日に東京都内のホテルで行われた。大賞は女優の吉永小百合さんが受賞した。
「こんなに光栄な事はありません」
吉永さんはライフワークとして原爆詩の朗読活動をしており、今年で30年目になる。最近は2011年の原発事故を受けて「原発詩」の朗読も行っているという。女優業の方は2015年に撮影される「母と暮らせば」は119本目の出演作品となるそうだ。授賞式にはスケジュールの関係で出席できなかったが、ビデオでメッセージを寄せた。
「市川房枝さんが第1回目の賞を受賞されたと伺い、私にとってこんなに光栄な事はありません。これからしっかりと活動していきなさいと励ましの意味をこめての受賞だというふうに受け止めました」
「これからも、私にできること、朗読活動もしっかり続けていきたいと思っております。(震災で)たくさんの方が亡くなり、辛い思いをしている、そして今でも12万人もの方達が故郷に帰れずにいる。そういう方達のことをしっかりと考えながら、皆様のお心に届くような作品を作りたいと思います」
震災の「復興支援賞」も
選考委員の一人、香山リカさんは「吉永さんは、原爆の被曝でご自分の居場所や出番を奪われた方、震災で被災をされている人たちのための詩を読まれ、自分以外の居場所と出番を用意し、あるいはそれを奪われた方を悼む活動をなさっている」と講評。
「大女優と言われる立場の方が仰るメッセージには、計り知れない影響力がある。こうした活動を積極的にされている姿に対して、『ぜひ大賞を受けていただきたい』と選考させていただきました」
と授賞理由を説明した。
ほか、女性年度賞に、空き家を活用した交流拠点「うちの実家」を運営している河田珪子さん、ひきこもりの居場所・福祉の拠点「こみっと」を立ち上げた菊池まゆみさんが選ばれた。
復興支援賞も合わせて発表され、震災下で自閉症の息子と暮らす体験を書籍「大震災 自閉っこ家族のサバイバル」に綴った高橋みかわさん、福島県の南相馬市立総合病院で看護部長を務める林薫さんがそれぞれ受賞した。
- 吉永小百合、オックスフォード大学で原爆詩を読む (集英社新書)
-
- 発売元: 集英社
- 価格: ¥ 756