稀勢の里引退で「無理に日本人横綱にしたのがいけなかった」の声 横審の責任を問う人も
横綱・稀勢の里(32)が現役を引退することが1月16日までにわかった。待望の日本人横綱として期待されてきた稀勢の里だったが、ネットでは「無理に日本人横綱にしたのがいけなかった」といった声が出ている。
稀勢の里は2017年1月の初場所後に横綱に昇進。1998年に昇進した若乃花勝以降、ハワイとモンゴル出身の横綱が続いており、実に19年ぶりの日本出身横綱の誕生だった。
「横綱に無理矢理推挙されて、本人がかわいそう」と同情の声相次ぐ
当時から稀勢の里の昇進に納得できない人は少なくなく、一部マスコミからも「日本人横綱ありきで昇進させただけ」「大甘昇進」といった意見が出ていた。
実際、昇進後の成績は振るわなかった。怪我に苦しみ、2017年5月の夏場所から8場所連続で休場。年6場所制となった58年以降のワースト記録となっている。
さらに昨年11月の九州場所で初日から4連敗、今年の初場所で初日から3連敗を喫して、昨年9月の秋場所千秋楽からは8連敗となった。1場所15日制が定着した1949年夏場所以降のワースト記録を更新した。
横綱としての通算成績は36勝36敗97休。今後は年寄「荒磯」を襲名し、後進の指導に当たる。残る横綱はモンゴル出身の白鵬と同じくモンゴル出身の鶴竜の2人となる。
ネットでは「なんかかわいそうだな。横綱に無理矢理推挙されて、本人が横綱には力及ばすなのは1番わかってたはず」「無理に日本人横綱にしたのがいけなかった。本人がかわいそうだわ」という声が相次いでいる。実力が伴わないのに、強引に横綱にされたという見方だ。
そのため「『日本人横綱がいないとヤダヤダ』という相撲協会の我儘が一人の力士を追い込み無理をさせ選手生命を殺した話として記憶されるべきこと」「日本人横綱の擁立焦って、体制整えずたった一回の優勝で横綱に任命した責任は」と相撲協会や横綱審議委員会の責任を問う声も。
また「横綱の品位が貶められた」といった厳しい指摘もあった。横綱には相応の強さと成績が求められるため、稀勢の里によって権威が失墜したと感じる人もいる。
ただ、相撲ファンからは「お疲れ様でした」「久々の日本人横綱でいい夢見させて貰ったよ」といったねぎらいの言葉も上がっていた。