竹中平蔵批判で退学勧告受けた東洋大生、「表現の自由の弾圧」と憤慨 大学は処分を否定
竹中氏は、小泉純一郎内閣の経済財政担当相だった2003年、改正派遣法を成立させ、派遣対象業種を製造業にまで拡大。非正規雇用で働く人が増えた。船橋さんはビラで「大多数の働く人が不幸に!」と批判している。
また竹中氏が人材派遣会社であるパソナグループの取締役会長を務めていることから、「労働者派遣法の改悪は、自らが会長を務める会社の利権獲得に通じていた」と指摘。他にも、竹中氏が改正入管法や改正水道法成立の旗振り役になったことを批判している。
船橋さんは、キャリコネニュースの取材に対して、「竹中平蔵氏は自らの利権のために規制緩和を行い、国家を私物化しました」と改めて竹中氏を批判。「そのせいで若者は辛い状況に置かれています。竹中氏が大学にいることに対して、学生自ら声を上げるべきだと思ったんです」とビラ撒きの動機を語った。
立看板の撤去を求められ、大学内に連れて行かれた船橋さんは、4~5人の職員からおよそ2時間半に渡って詰問されたという。
「僕の主張は間違っていると言われ、立て看板の設置やビラ撒きが大学のイメージダウンにつながったと叱責されました。東洋大の受験を避ける高校生が出るなど大学に損害を与えたとまで言われ、大声で脅される場面もありました。また、同じく1月21日に始めた『東洋大立て看同好会』のTwitterアカウントを削除するよう執拗に要求されました」
さらに、退学処分にする可能性があると勧告されたという。
「『東洋大学学生生活ハンドブック』の第57条のうち、『性行不良』や『本学の秩序を乱し、その他学生の本分に反した者』に該当すると指摘され、退学処分にする可能性があると言われました」
「一部ネット等で散見されるような当該学生に対する退学処分の事実はない」
船橋さんは、東洋大学の対応について、こう語っている。
「立て看とビラは学則で禁止されているという理由が大学側の言い分ですが、それを犯したとのことで退学させると脅すのは表現の自由の弾圧で、大学にあるまじきことだと思います」
東洋大学は1月23日、公式サイトに声明を発表。無許可での立看板の設置、ビラ撒きは禁止されているため、船橋さんに指導したと説明した。退学処分については否定している。
「(指導の際)事実確認と禁止行為に関する説明を行いましたが、一部ネット等で散見されるような当該学生に対する退学処分の事実はありません。本件に関して、所属学部では退学としないことを確認しております」