「コンビニ弁当が美味すぎて妻の料理が不味い」理不尽なクレームの最新事例 家電量販店員の説明を「押し売り」と取る人まで
客との距離感のとり方や話し方に苦労している従業員は多いという。従業員の中には、豊富な商品知識があるために説明が長くなる人もいる。こうした人達は押し売りと勘違いされないよう、「押し売りはしません」「日本で一番説明の長い販売員なんですけど、良かったら聞いてください」と書かれた鉢巻やタスキを身に着け、クレームを防いでいるという。
また、最近のコンビニ弁当のクオリティが高くなりすぎてしまったために、「嫁の飯が不味くなるから止めてくれ」というクレームもあったという。
「一方、奥さんからも『こんなに手料理を頑張っているのに、主人が私のご飯を食べても一切褒めてくれない。コンビニのせいよ』というクレームが入っていまして」
谷さんによると、夫婦の板挟みになりながらも、コンビニ業界は「なんで怒られているのかわからないと言いながらも仕事をしている」と明かす。解決策が全く見つからないクレーム処理に追われているらしい。
待ち時間に関するクレームが10年間で10倍 「時間」に対する価値観が変わった
そして、サービスが向上したことで待ち時間がとても短縮されるようになった弊害で、少しの時間も待つことができなくなった日本人が急増しているとも話す。
「待ち時間に関するクレームが10年間で10倍に。特に顕著な例が、田舎の落ち着いた街の病院で。昔は、待ち時間のクレームは全然なかったんですけど、ここ最近では1週間で約15件が当たり前」
今まで全くクレームを言うタイプではなかった常連の患者まで「待ち時間が長い」と言うようになったそうだ。
「日本人の価値観が、お金にプラスして、時間に対する執着心が非常に増えていまして、昔のクレームの常套句も昔は『誠意を見せろ』『金返せ』だったんですけど、『この時間どうしてくれるの?』『私の時間返してちょうだい』が今最も増えています」
便利になり過ぎ、これまで意識していなかったことにまでイライラするようになってしまったのだろうか。店側は、理不尽なクレームはある程度「出ても当然」と割り切って対処するのが良さそうだ。