番組では、そのほか住友生命、日本生命、ソニー、パナソニック、大東建託、マツダ、大和証券、みずほFG、東京急行電鉄、メルカリなどが取材に協力。男性の育児休暇推進に力を入れていることを紹介しました。
一方で、街頭インタビューでは「育休は遠慮しながら取った」「出世に影響すると思うと不安」といったネガティブな声も。厚労省が4日に発表した2018年度の雇用均等基本査(速報)によれば、男性の育休取得率は6.16%と、上昇傾向にあるものの依然少ない。
カンニング竹山さんは、「育休という言葉が素晴らしい、育休って理想じゃない?でも(番組で)紹介してもらった企業は大手企業」とした上で、
「大手企業の下には下請けや孫請けがあり、ほとんど中小企業。中小企業は育休なんか取ったら会社潰れちゃうんですよ。そこまで全部国が(フォロー)できるかどうか」
「今、少ないパターンの理想を見せられて『じゃあこうしよう』と思うけど、経済力がある、できる会社はいいけど、8割7割が中小企業なわけだから、この問題をどう義務化するかです」
と語りました。確かに、人手不足の中小企業では1人でも穴があけば仕事が回らなくて困るでしょう。しかし、先日カネカの元社員の妻が、夫の育休復帰後の不当人事をSNSにアップし大きな話題になりました。大手企業であっても処遇は様々で、これでは男性の育休取得率は伸びないでしょう。
また竹山さんは、女性の場合の育休取得にも言及。会社に戻ったときに元の部署ではなくなり、「あんたいなかったでしょ」という空気感になると指摘。「そういう企業の問題を解決しない限りは、何も進まないよ」と語気を強めました。
「育休取ればいいってもんじゃない」大事なのは「子育てとどう向き合うか」
この問題は多くの人が関心を寄せており、ツイッターでは様々な意見が上がっていました。旦那さんが育休を取り、夫婦共に喜んでいるという声もあれば、「育休取れとまで言わないが休日くらいは面倒みて」「旦那は家でゴロゴロしているだけだったので家事の手間と不満が増えた」など、「育休を取ればいいってもんじゃない」という意見は相当多く出ていました。
竹山さんは、「それぞれ夫婦の収入によってスタイルが違っていい」として、
「ちょっと世の中一個ずれてんなって思うのは、育休を取らなきゃいけない、育休は素敵なことですよ、皆さんやりなさいって、全員に同じパターンにしようとする」
と違和感を示し、専業主婦世帯、共働き世帯、それぞれのやり方を考えたほうがいいと語りました。
確かに、「育休取るより稼いできてほしい」という妻もいますから、「一律」には疑問が残ります。ただ、共働き世帯が増えたことや少子化対策のために男性の育児参加が叫ばれているわけですから、少々強引としても「一律に義務化」しないと浸透しない難しさを感じます。
また、経済面だけに囚われて、「子育ては夫婦2人で、はもちろん、近親者全員で、地域で、社会でおこなう」という視点を忘れてはいけないでしょう。番組では、二児の父であるタレントの金子貴俊さんが、
「何が一番大事かというのは、育休取ってなくても妻のケアが出来てる人はいると思う。要は、旦那さんがどういう思いで行動し、子どもと向き合っていくか」
ともコメントしており、筆者も同感です。企業はもちろんですが、少子化の中、それぞれが「子育てにどう向き合うか」を考えて欲しいと思います。