試算では、22歳で大学を卒業し、正社員で働いて3年目の25歳の単身者をモデルにした。居住地域は、公共交通機関が使いやすく安価な物件が多いことから、京都市北区在住を想定している。住まいは築35年、1Kまたは1DKの25平方メートルの物件で、家賃は4万1000円としている。
光熱費は男性が7419円、女性が8434円と算出。食費はほぼ自炊をするものとして、男性4万4441円、女性3万5347円と想定した。
被服費は男性が5561円、女性が3797円。男性の背広や礼服、ジャケット、女性のワンピースやフォーマルドレス、コートなどは「人前に出ても恥ずかしくないもの」を着用していると考えて、最多・標準価格で算出した。
カラーテレビは24型、ノートパソコンは男女とも3万4800円のものを買うと想定し、月々の教養娯楽用耐久財費は4988円。このほか、5000円の日帰り旅行を月1回、帰省を含む1 泊以上の旅行を年2~3回行う分として、年間9万円(月当たり7500円)を確保した。恋人や友人などと一緒に遊ぶ費用は月8000円。これらの計算から、教養や娯楽に関わる費用は、男性で月2万7510円、女性で月2万7531円と算出している。
諸々合わせ、月々の消費支出は男性で17万8390円、女性で17万5640円とした。これに社会保険料4万9595円と予備費(男性1万7800円、女性1万7500円)を合わせ、男女とも約25万円が必要という結果になった。
「最低賃金や社会保障の水準を引き上げ急務」
今回の結果を受け、京都総評は
「『現行の最低賃金額はあまりにも低すぎる』『最低生計費は全国どこでもほぼ同水準である』という他の地域でも得られている結論が、今回の調査結果でも当てはまっていることが確認できる」
とコメント。また、京都市における25歳単身者の生活保護基準が12万2203円で、男女とも消費支出(男性17万8390円、女性17万5640円)と大きな隔たりがあることから、「まずは『生活できる賃金』『安心できる社会保障』という大原則に立ち返り、最低賃金や社会保障の水準を引き上げていくことが急務の課題」としている。