厚生労働省が9月7日に発表した人口動態統計が、ネット上で話題になっている。2018年に生まれた子どもの数(出生数)が、過去最低を更新したという内容だ。1~7月期は前年の同時期から5.9%減り、30年ぶりの減少ペースだという。
「団塊ジュニア世代が40代後半になり、出産期の女性が減ったことが大きい」「2016年に100万人を下回ってからわずか3年で、19年は90万人を割る可能性が高い」「政府の想定を超える少子化」などと日経新聞が報じると、ネット上ではこれまでの政策や現政権に対する批判が相次いだ。(文:okei)
「夫が育休取れて、女性がブランク後も正規でも働ける環境ならね……」
少子化は一朝一夕に解決する問題ではないが、子ども好きであろうとなかろうと、多くの人にとって思うところの大きい問題のようだ。この報道に対して、はてなブックマークでは700近いコメントがつく反響があった。
「ベビー用品はショウヒゼー10%で新聞は8%とかやってんだから当たり前だろっての」
「まあこれが自民党に政権を任せていた結果だよ。少子化が問題になってもう40年近く経っている。その間何をした? 結果を出せない政治家は要らんのですよ」
といった政策批判が次々に上がった。また「そりゃー若者に金も時間も無いしな」「団塊ジュニアが諸々の適齢期を通り過ぎてしまったんだろうなあ」などの諦めや、”結果は当然”と受け止める人が多い。「仮に2019年は出生90万人割っても、110万人の移民&実習生を入れるから人口動態は変わらないわけだろ」などの皮肉も散見された。
「共働きでないとやっていけない収入の低さなのに、子どもを産むと失業のリスクが高い」といった状況を訴える声も目立ち、長時間労働と非正規雇用の多さも問題として指摘されている。「夫が育休取れて、女性がブランク後も正規でも働ける環境ならね……」という声もあったように、育休取得が制度としてあっても、多くの企業で定着しきれていない現状がうかがえる。少子化は、日本が抱える全ての社会問題の結果なのだろう。
「不都合があると誰かのせい、あいつが悪いこいつが悪い。自己反省しろよ」という声も
この話題には5ちゃんねるでもスレッドが複数立ち、
「家族を養えない氷河期を放置した自民党のせいだね」
「氷河期世代にあんな仕打ちをした結果が見事に出生数に表れてる」
など、就職氷河期世代を見放したせいだとする意見がいくつも出ている。ただ、「バブル真っ盛りの時代から少子化は始まってたもんなぁ。氷河期云々は関係ない」という声も。20~30代の若い世代が上の世代を見て希望を持ちづらいという指摘も、間違いではないだろう。「家も車も子供ももう贅沢品だから」など、全体的に、暗い納得感や諦めのコメントが次々に入り、スレッドが伸びている。
一方、「不都合があると誰かのせい、あいつが悪いこいつが悪い。自己反省しろよ。日本の与党はお前らが選んだんだろ。(中略)現実を受け入れろ」といった、有権者に厳しい意見もある。確かに、先の参院選で投票率は48.80%と半数を割っている。
声を上げることすら諦めるムードが漂っていたが、声なきものは黙殺されるのだから、この意見も一理あるだろう。「若者たちはとにかく選挙いこう。選挙いかないのは自殺行為で自民党の思う壺ってことを理解しないと」と呼びかける人もいた。
今月から、少子化対策の一環として保育の無償化が始まったが、これに期待を寄せる人は、見る限り見当たらなかった。それだけ未来に希望を感じる人が少ないことが浮き彫りになったようでつらい。