現行制度のうち改正してほしいと思う項目について聞くと、「インターネットを通じた申請書の提出」(71.8%)と「クレジットカードでの手数料支払い」(85.4%)に大多数が賛成した一方、「郵送での受け取り」は43.7%と消極的な意見が目立った。
「重要な個人情報なので一つ間違えると大変なことになる。慎重に考えるべき内容だと思われます」(50代・女性)
個人情報の保護の観点から「郵送」では不安に感じる人も多いよう。しかし、本人確認の徹底など、条件付きで賛成する声(38.7%)も多かった。
また、「最も好ましいパスポートの申請・受け取り方法」については、窓口に一度も赴かない「申請はインターネットで、自宅郵送だが手渡し」(21.6%)が最多。次いで、「申請も受け取りも窓口だが即日発行」(19%)も人気だった。現在、東京都の場合は、パスポートの発行までに土日祝日を除く6日間も必要なため、平日に2回もパスポートセンターに出向かなくてはならないことが悩みの種になっているようだ。
このほか、「申請はインターネットで、受取は最寄りの郵便局で本人確認・手渡し」(17.2%)、「申請はインターネットで受取は窓口」(15.2%)といった選択肢が1割を超えた一方、「申請は窓口で、受け取りはポスト投函」(1.0%)など受け取り方法を「ポスト投函でも良い」と答えた人は4.5%に留まった。
「みんなが都会に住んでいるわけではない!」「インターネットが使えない人は?」
パスポートの申請・受け取り方法の簡略化については賛否両論あった。
「夫と息子は米国籍ですが、申請は窓口その後郵送です。悪いとは思いません」(50代・女性)
「便利になるのは良いこと。しかし、インターネットありきだと出来ない人もいる。窓口、インターネットどちらでも申請できるのが好ましい」(40代・女性)
と柔軟な手続き方法を望む声の一方、
「申請、受取に日数がかかることが一番煩わしい。運転免許証と同様、申請して即日発行されることを望みます」(60代・女性)
「とにかく今より簡素化して欲しい。以前、パスポートセンターから車で1.5時間というところに住んでいた時、大変苦労をした。みんなが都会に住んでいるわけではない!」(50代・男性)
と発行までに時間がかかることや、遠方からパスポートセンターへ赴くことを不満に感じるコメントが寄せられた
政府はパスポート発行に関する制度改正について、「郵送での受け取り」の早期実現を目指すとともに、早ければ2021年度に「クレジットカードでの手数料支払い」、2022年度に「インターネットを通じた申請書の提出」の導入を検討している。