行政や動物愛護団体、個人ボランテイアから譲渡された犬や猫をはじめ、町で保護された犬や猫やさくらねこTNR、地域猫たちが被写体になっている。さくらねこTNRとは、飼い主のいない猫に対し、不妊去勢治療を行い、元の場所に戻した証として、耳先をさくらの花びらのようにV字カットした猫のことだ。
コンテストには愛らしい写真・動画作品とともに、エピソードも送られるという。同団体は、
「悪戦苦闘の末、さくらねこになったボス猫、保健所からの保護犬から産まれたワンコのなど微笑ましいエピソードから、劣悪繁殖場、収容期限切れなど、過酷な環境から命が救われ、幸せに暮らすワンニャンの作品が多くみられました」
とコメントしている。悲惨な状況の中でもたくましく、健気に生きる犬猫は生命の大切さを教えてくれるというが、「人間の手によって救われた命ですが、一方で、人間のエゴや身勝手な理由により殺処分されているという現実があります」と指摘する。
「日本では毎年数万頭もの犬や猫が、『もういらない』『売れ残った』『子供を産んだ』『捨て猫が山に入ってノネコになった』といった人間の都合で、殺処分され、多くの命が奪われているのです。本写真展の作品を見て、次に犬や猫を飼おうと思ったときに『買わずに飼う』という選択をしていただければと願わずにいられません」
会場では環境大臣賞、大阪府知事賞などを受賞した作品を使ったカレンダーやチャリティーグッズも同時販売。収益金はすべて同団体の”殺処分ゼロ”活動のために使われる。今回はねこ画家・ペペ島田さんが描いた「さくらねこ」の作品を会場にて初公開する。