さらに、「でもそれじゃあ何も解決しないということが、ご家族とか我々が分からないといけない」と続ける。世の中には「なんでそんなに甘やかさなきゃいけないの?」「自業自得でしょ」と思っている人が多いと指摘し、
「そういう誤解がずっとある世の中をどうするか。ひきこもりって本人の問題じゃない、受け止める側の我々の問題なんですよ実は。そこをしっかり考えないといけないと思いますよね」
と語った。ひきこもりの人を責めるより、理解しようと努めることが問題解決の糸口になるという考え方だ。
一方で、番組冒頭で竹山さんが「(家族が)やらせようとしないだけ」「家族間での会話ができていない」などと指摘したため、家族に引きこもりがいる人からは不満の声も。視聴者メッセージでは、姉が20年ひきこもりという人から、
「それが一番できないから困っている人がほとんどだと思います。(中略)家族だから一番難しいということもあるんです」
という反論があった。事情は個々に異なり、第三者が下手なことを言えないのは確かだ。しかし番組ではご近所や行政に相談し、周囲に話すことで楽になったという人たちも登場した。不安がやわらいだ兄弟姉妹が対応を変え、当事者からも歩み寄る姿勢が出てきたという。
竹山さんは、「やっぱり関わっていくこと。お節介でいい」と持論を語った。「人との繋がり方を、人間はずっと間違ってきたと思っていて」「ダメ出しを続けて、根性論で『あなたはそこを鍛えなさい』としてきたが、それは間違っていた」として、
「優しく寄り添うことは難しいけれど、それが一番効果があるということが分かっている。それを周りがやっていかないと、同じことの繰り返し。問題は解決しないと思う」
とコメントした。人間、相手のダメなところを指摘しがちだが、気持ちに寄り添った対応をした方が関係がよくなりやすいということは、番組でも様々な事例で示していた。
ただ、実際にひきこもりの兄弟姉妹を抱える人にとっては、却ってつらくなる人もいたようで、「やっぱり支える方も折れるよ。疲れるよ」といったツイートもあった。ひきこもりは、当事者だけでなく、その家族に対する配慮も深める必要があるようだ。