デモは午後1時半すぎに勤労福祉会館前をスタート。警察の先導車に引かれて、参加者20人ほどが行進を始めた。拡声器を持った秋元氏に合わせて
「クリスマス粉砕」「非モテの人権を踏みにじるな」
「リア充は爆発しろ」「カップルは自己批判せよ」
「恋愛資本主義粉砕」
といったシュプレヒコールが次々に飛び出していた。
沿道の反応は、怪訝な顔をする人や二度見する人、面白がって写真や動画を撮影する人などさまざま。スマートフォンを片手に、デモの様子を動画に収めた20代カップルは
「漫画で見たことはあったけど、実際に見てみると面白い」
と半笑いで見守る。彼女は「(デモは)いいと思う」としながらも引き気味だった。
父親がデモの元参加者という小学6年生の男児も、沿道からカメラを構えた。デモを開催する度に父親と一緒に駆け付けて、見守っているという。将来はデモに参加してみたいかと聞くと、恥ずかしそうに「んー」と首をかしげていた。
参加者は「晴れ晴れした気持ち。とてもすっきりした」と満足げ
雰囲気が最高潮を迎えたのは、渋谷の代名詞「スクランブル交差点」に差し掛かったタイミングだ。秋元氏の声にも力が入る。
「みなさん、恋愛は義務ですか。クリスマスという日は恋人同士でおしゃれなカフェやバーで素敵なひと時を過ごさなきゃいけない、そんなものは義務ですか」
「できない人に対して、さげすみの目を向ける。何が楽しいんですか。我々、非モテにも人権があるんですよ」
などと主張し、信号を待つ大勢の注目を浴びながら闊歩した。
ゴールの神宮通公園に着くと、秋元氏は
「非常に充実したデモだった。今年も我々の勝利だ」と勝利宣言。さらに、こう続ける。
「デモをすること自体が楽しいのも続ける理由の一つ。(モテない人間が)卑屈な態度を取ってしまうと、行動に説得力がなくなってしまう。今後も我々なりのやり方で続けていきたい」
また、来週にクリスマス本番を迎えるにあたり、カップルに向けては「世の中には有意義なことがたくさんある。もっと視野を広く持って」と呼び掛けていた。
デモに毎回参加しているという30代男性は
「晴れ晴れした気持ち。とてもすっきりした」
と達成感を感じた様子。だが、「まだまだ世の中にはクリスマス至上主義が絶えない」と来年以降も引き続きデモに参加する意志をのぞかせた。