退職理由に「安い給料」を挙げる人は少なくない。IT関係の20代女性は「交通費2万円と残業20時間込みで手取り14万円。さらに賞与が5000円と聞いたときに退職を決めた」という。とても生活できる金額ではない。そして
「『IT会社の正社員』という採用に釣られて入ってくるが、実態は派遣会社でどんどん辞めていく」
と明かす。他にも、給料が安いことをきっかけに退職を決意した人のエピソードを紹介する。(文:林加奈)
「売り上げがなければタクシードライバーの給料もありません」
自粛要請を受けて退職を決意する人もいる。「単純に生活できないからです」と語るのは、夜勤専門のタクシードライバーの60代男性。
「夜の商売、飲食業の自粛要請が出て売上2000~3000円なんてザラ。売り上げがなければタクシードライバーの給料もありません。今月で見切りをつけ、コンビニのバイトで生活をすることを考えています。コンビニは自粛要請の対象にはならない」
政府の自粛要請により、飲食店や娯楽施設などが休業を余儀なくされている。その余波を受けるのはタクシーの運転手だ。男性は「もう無能な政治家に生活を破壊されるのは御免!」と綴る。
自粛要請を受けて収入が安定しない人が増えている今、この男性と同様に、収入減を理由に会社を辞めようと決意している人も多いだろう。
「作業効率が悪く、単価が安い仕事で手取り15万円。効率化しても見返りは全くない」
平常時から安月給に苦しんでいる人もいる。営業職の30代女性は現在、保険会社のアフターフォローの仕事をしている。面接では「営業職ではなく、既存顧客フォローが主な仕事で固定給です」と説明を受けたが、実際には営業ノルマがあり、そのでき次第で給料が乱高下する。
「加えてインセンティブもなく、どんなに頑張って成績を上げても給料は上がらず、一生ここにいて年収が300万円届くか届かないかの境遇。それなら転職した方がいいなと感じています」
面接時の説明とは違ううえに、成績を上げても給料が上がらないのなら退職したくもなるだろう。
技術職の30代男性は現在の職場、仕事の効率の悪さに不満を抱いている。給料は手取り15万で、「この先給料が上がる見込みがない。作業効率をよくして仕事を早く回したところで見返りが全くない」と退職を決意したと語る。
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