エイプリルフールに「やりすぎた!」 ブラック企業や女性活用のネタに「スジが悪い」と批判・謝罪も
4月1日はエイプリルフール。ネット上にもさまざまなウソが飛び交ったが、その中で少し「やりすぎた!」というものもあったようだ。
ポイント交換サービス「Gポイント」を運営するジー・プラン社は、社員の給与を「全額ポイントで支払う制度」を採用したと発表した。
「自らブラック企業を宣伝」とマジレス喰らう
プレスリリースには、給与制度の狙いについて「現金による紛失のリスクや両替などの手間が減る」というメリットが挙げられている。社員自らが「生活基盤の主軸をポイントへと変える」ことで、ユーザーに素晴らしさを伝えるという。
もちろんこれはエイプリルフールなのだが、リリース当初はその記載がなかったために真に受ける人もいたようだ。
さらにこの制度変更がネット媒体にも本当のニュースのように取り上げられてしまい、Newspicksなどでは「マジレス」の批判が来てしまっている。
「従業員は現金の方が嬉しいに決まっています。自らブラックであることを宣伝しているような非常識な会社は潰れてしまえ!!」
「ジープラン社が破産した場合はデフォルトになるじゃないかw」
こうした声が多かったのか、同社ではリリースに「エイプリルフール企画であることの記載がなく、誤解が生じたことをお詫び申し上げます」と追記している。
もちろんシャレがわかる人からは「マジメかw」「良い宣伝じゃないすか笑」とかばうような声があがっているが、発表ネタが企画者の想定以上に独り歩きしてしまった例となってしまった。
女性活用は「華やかなイメージ」をつくるため?
ITインフラのIDCフロンティア社は「女性積極活用」を標榜し、すべての役職者に「女性を登用する」と発表した。現役員は全員解任され、リリースには新職として「ラーメン店皿洗い」「ゴルフキャディ」「高層ビルの窓ふき」といったジョーク的な記載があった。
「平成27年4月から社内の若返りと華やかなイメージをつくるため、中年男性の役員及び本部長職の解き、女性の積極的な活用を高める企業体質への改革を進めております」
しかし、もはや女性活用は政府の成長戦略にも組み込まれ、当たり前の流れになりつつある。それを「エイプリルフールのネタ」だとするのは「少々スジが悪いんじゃないか」といった声もあった。
さらに女性活用の目的が「華やかなイメージをつくるため」と記載されていることに、「ルミネみたいな会社ってまだまだあるもんだ」と批判する人もいる。
こうした声に反応したのか、このリリースは同日昼ごろに削除されてしまった。
「ネタにマジレス恥ずかしい」の擁護も
また同社はそのリリースで同時に、彼氏のSNSを監視できる女性向けクラウドサービス「ガールズクラウド」を発表していた。もちろんこれも「ネタ」。このランディングページはまだ残っているが、末尾にこんな記載がなされている。
「注:今日はエイプリルフールです。このコンテンツは、IDCフロンティアの女性有志が企画しました」
いずれの例も「ブラック企業」や「女性活用」など時事問題を取り入れようとしたエイプリルフール企画だ。しかし、ちょっとした表現が独り歩きしてしまい、それが一部の人の批判を呼んでしまうこともあるということだ。
ネット上では批判する人に対して「エイプリルフールネタにマジレスしてて恥ずかしい」と企業を擁護する声もあるが、企業としてはネタといえども、ネガティブな口コミを避けたいところだろう。これだから、うまくウソをつくのは難しい。
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